奥秩父|塩川 小森川下部ゴルジュ遡行

記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 小森川下部ゴルジュ:2級
核心部のゴルジュには夫婦滝、捻リ滝という名のある滝の他いくつか滝があり、全て登れるので結構楽しめる。夫婦滝のインゼルは特徴的。それ以外の区間は堰堤とゴーロが多く、ぬめりも強いため快適とは言えない。ぬめりが強いためフェルトソール適。
シン沢屋交流会が毎年韮崎で開かれるので、午前中遡行で行きたいところもだんだんなくなってきた。今回は、過去に行ったメンバーからなかなか面白いと聞いたのと、予想気温が高かったので水量多めの所が良かったことから、小森川下部ゴルジュへ行ってみた。

ヤクボ沢出合上流にある堰堤を右岸から大き目に巻くと、結構古そうだが満砂になっていなかった。珍しい。

殆ど何もないゴーロを進んでいくと次の堰堤。石積みで古そうだと思ったら、銘板には「小森川第貳號堰堤 竣工 昭和十七年三月三十一日」とある。戦時中の大変だったであろう時期に、こんな所に堰堤を作っていたとは。

6m滝:やっと滝が出てきた。左から容易に登る。

5m斜滝:これも容易に右から登った。

夫婦滝の下段は、インゼルになっていて離れて2条ある、珍しい形状。これは右の滝で、この左を登った。

インゼルの左の滝で、左から登れそうだが登らなかった。

夫婦滝の上段の滝:一応ロープを出してtamoshimaがリードして右を登った。

上記滝をフォローするたな。この滝壺が雨乞淵。この滝壺から2つに分かれて流下しているのが分かる。

穴小屋沢の出合の滝:結構立派だが、左から登れそう。

捻リ滝を登るtamoshima:結構癖のあるムーヴが必要だった。

捻リ滝を登るたな:tamoshimaとは違うラインで登った。この上流で脱渓し左岸径路跡へ。

小森川の左岸の径路跡の石垣。なかなか趣がある。小森川左岸の径路は今回歩いた区間で、歩けないほど崩壊していたのは脱渓点付近の1箇所のみ。戦前に造られた、古めかしい石垣の多い径。

ヤクボ沢[谷窪沢]は900m付近に結構立派なゴルジュがあるが、中にある滝は容易に登り降り出来る。林道から捨てられたと思われるゴミが多い。
写真はヤクボ沢のゴルジュの3段11m滝。それなりに立派なゴルジュだが、ゴミが多すぎるのが残念。
上流に民家もないのになぜか黒っぽく濁っている水、かなり良くぬめるゴーロが残念な点だったものの、核心部は良いゴルジュで、連続する滝の登攀を楽しめ、なかなか良かった。水量が多くて滝に迫力があるし、夫婦滝の下段のインゼルはなかなか面白い地形だと感じた。3時間で楽しめる沢としては悪くない選択肢だと思う。
1942年に作られた堰堤や空積で古色蒼然とした石垣が続く左岸の径路など、古くからの人の営みが感じられるのも風情がある。
装備・コースタイム
6:53 出発 – 7:17 小森川第二号堰堤 7:26 – 7:53 夫婦滝 8:28 – 8:29 捻リ滝 9:28 – 9:29 夫婦滝 9:32 – 9:44 小森川第二号堰堤 – 10:10 帰着
(合計3:17/距離3.7km、登り544m、下り470m)
ぬめりが強いためフェルトソール適。
遡行図

地名
「奥秩父」(原全教,1942)に詳しい。
・830m左岸支流はヤクボ沢[谷窪沢]、940m左岸支流は穴小屋沢、1008m右岸支流は滝ノ沢。他にも数多くの枝沢名がある。
・滝と淵は、今回遡行した区間にある夫婦滝[女夫滝]、雨乞淵、捻リ滝[戻リ滝]の他、上流にある彦太郎淵がある。
・中部山岳の渓流(鈴野)には、「山女魚止ノ渕」の名が挙げられているが、どの滝のことかは不明。ヤクボ沢出合上流から150mのところにあったようなので、堰堤への堆砂により埋まっている可能性もある。
他の記録
・東京附近沢歩き (登山地図帳) (1956,山と溪谷社):ゴルジュは高巻き、略図あり
・東京附近の谷あるき (マウンテンガイドブックシリーズ)(朋文堂,1957):ゴルジュは高巻き、略図あり
・2023年のシン沢屋交流会の午前中遡行:
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5665589.html
・2022年のシン沢屋交流会の午前中遡行:
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4428729.html
〇本件ヤマレコはこちら
1994年生。ぶなの会所属。大学に入ったタイミングで沢登りを始め、沢登り歴13年、訪れた沢は約1000本。沢を登るだけでなく下りも交え、一層その流域への理解を深めたいと考えている。最近は、情報の乏しい隠れた秀渓を探すのにハマっている。













