奥秩父|入川股の沢下降・真の沢 武信白岩沢遡行・千曲川東沢下降

記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 入川 股の沢:2級
登山大系で「入川流域で最高にきれいな谷」と書かれているが、真の沢と比較して特に美しいとも思えなかった。原生林も水も綺麗だが、大きな滝はなく、歩きメインの沢。下るのにも適している。下降の場合、スライダーに適した小滝が2つある。 - 入川 真の沢〜武信白岩沢:2級上
真の沢は荒川の本流とされ、水量豊富な沢だが、敢えて通らずに突っ込まなければ泳ぐ箇所はない。千丈の滝は、左岸から巻く方が景観を楽しめる。武信白岩沢は登れる21m滝が2つある等、登れる滝が多く、真の沢本流よりも面白そうである。 - 千曲川 東沢:1級
下部は平流が続き、森林軌道跡が並行している。10m滝を巻いた先には花崗岩のナメ滝やナメが発達しており、なかなか見事。ぬめりが強いので水線を遡行または下降することは困難で、水流の脇を歩くことになる。遡行対象としては物足りないが、下降に良い。
この週末は、GWのキャニオニング講習で一緒になった、溝内さんをお誘いしていた。溝内さんから行ってみたい沢として提示された中に入川真の沢があり、この沢については自分も毛木場からの入山ルートを考案していたので、それを実行することになった。

峠越えの長いアプローチを経て、股の沢右俣の左岸枝沢の下降を開始。左岸枝沢にはちょっとしたゴルジュがあった。

左岸枝沢下部の12m斜瀑:右岸を巻き気味に下った。登りなら登れそう。

左俣を合わせ、その下流の10m滝。倒木の存在感が大きい。倒木伝いに登り降り出来るかも(?)だが左岸から巻いた。巻きはそこそこ悪かった。

泳いだ方が楽に下れる釜も出てくる。水は冷たいので、ウェットを着ておいて良かった。

股の沢で最大の、2段13m滝は、右岸を巻いた。


この4m滝もスライダーできそうだったが、念のため1人をロワーダウンし、下検分をした。

残り2人は4m滝をスライディングで下降した。

真の沢に入り、最初の難所の通らず:1段目の1mは登れたが、2段目は登れず、右岸から巻く。

通らずの出口にある8m滝は登れそうに見えたので、懸垂下降して取り付く。tamoshimaがリード。やはり、左岸からトラバースして登ることが出来た。

通らずの8m滝をフォローで登るたな。

暫くの凡流を経て、10m滝。巻き気味に直登を探ったが厳しいので、左から巻く。

程なくして幕営適地が出てきた。まだ時間は早いが、武信白岩沢に入ると適地は乏しそうなので、幕営とする。使用感のある幕営地で、非常に快適だった。

遡行するのは武信白岩沢だが、千丈の滝を見に行かない訳にはいかない。下段11m、もしかしたら右岸クラックをエイドで登れるかも? 容易に巻けるので誰もやらないだろうが。

下段を左岸から巻くと、上段(23m)がとてもよく見えた。逆から巻けばこの景色は楽しめまい。このまま左岸から上段も巻けることを確認し、戻った。

武信白岩沢に入り、しばらくすると登れる滝が出てきたが、水が超冷たい。

側壁がかっこいい7m滝は、右から巻いた。この先で武信白岩山に直登できる谷筋が出合うが、水は伏流していた。この直登沢を登ることも検討していたが、取りやめ。

1つ目の大滝である、2段21m。溝内さんがリードで登ったが、冷水のシャワーとぬめりに苦労していた。ぬめりを取りながら登ったので、フォローは割と楽。

2つ目の大滝も21m。たながリードしたが、こちらもぬめりで大変そうだった。やはり、フォローは楽。

大滝が終わってもまだまだ小滝がある。

岩質が花崗岩に替わり、さらに明るい雰囲気になって、ナメも多くなってきたが、小滝も多い。上部も結構良い沢だ。水が涸れたら左岸をトラバースしながら登り、大椹峠へ。

千曲川東沢は、予想以上にナメが発達した沢だった。右岸の美しい苔の絨毯を下った。

多段30mの大ナメ滝。こんなに綺麗なナメ滝があるとは。

10mの綺麗な滝は右岸から巻いたが、シャクナゲの藪が厄介だった。

渓畔林を歩いていると石垣が出てきて、何かと思って観察すると、勾配や幅から軌道跡だと分かった。

軌道跡には原形を留めている橋台がいくつもあった。

妙に綺麗な「落石注意」看板があるが、どう見ても落石よりもこの梯子の方がやばい。この梯子が降りられず、懸垂下降した。9年前はちゃんとした梯子だったようだが…

軌道跡には立派な切通しもあった。この先で軌道を追いかけるのを諦め、登山道で下山。
股の沢は、登山大系で「入川流域で最高にきれいな谷」と書かれるほどの感動はなかったが、確かに原生林も水も綺麗な沢で、大きな滝も少なく下るのに適した沢だった。
真の沢に入ると急に花崗岩の真砂が堆積しているようになり、沢床が白いので明るい雰囲気になった。通らずの完全通過は成らなかったが、主瀑と言える8m滝だけでも登れたので良かった。千丈の滝も、左岸から巻く方が楽しめることが確認でき、成果十分。
武信白岩沢はロープを出して登れる21m滝が2つあり、その上流は花崗岩の明るい沢になって、全体的に楽しめる沢だった。記録からは冗長な感じのする真の沢本流よりも沢登りとしては面白いのではないかと思う。
千曲川東沢は想像以上にナメやナメ滝が発達していて、綺麗な沢だった。ナメはぬめっているが、すぐ脇の土や苔を歩けるので、割合下りやすいのも良かった。
最後に軌道跡を発見し、探検してみたが、勾配を緩めるための削岩・石積の多さに感嘆。レールは完全に撤去されているが、往時を見てみたかったものだ。途中、9年前には健在だった梯子がすっかり腐っており、懸垂下降を強いられたが、それほど厳しい場所に軌道を通していたことに驚いた。スイッチバックに気付かず西沢沿いの路線に入ってしまい、結局最後まで軌道を辿れなかったのは残念。途中で登り勾配になり変だなとは思っていたが、下山後に樵路巡遊をみて、納得。
今回の山行では、有名だがアプローチの面倒な沢を、裏側からのアプローチで効率的に楽しむことができ、満足した。お薦めできるルートである。
溝内さんとも関係を築くことができ、今後が楽しみだ。
装備・コースタイム
1日目:6:05 毛木場駐車場 – 6:18 五里観音 – 6:24 水場 6:25 – 7:30 十文字峠 – 7:47 四里観音 7:49 – 11:50 柳避難小屋 12:14 – 14:58 幕営
(合計8:53/距離11.3km、登り1,140m、下り1,211m)
2日目:6:51 出発 – 7:07 武信白岩沢出合 – 7:15 千丈の滝 7:30 – 7:31 武信白岩沢出合 7:41 – 12:06 尻岩 12:18 – 15:10 慰霊碑 15:14 – 15:27 大山衹神社 15:28 – 15:48 毛木場駐車場 – 15:51 帰着
(合計9:00/距離9.4km、登り1,042m、下り970m)
ラバーソールで行ったがぬめる箇所も多かった。フェルトの方が無難か?
遡行図

周辺施設
毛木場駐車場に駐車。大きい駐車場だが、土曜朝5時半の時点でほぼ満車だった。
トイレ有。
他の記録
○股の沢、真の沢
記録・遡行図多数。
○武信白岩沢
ヤマレコに記録が5件ある程度で、遡行図は未見。
○千曲川東沢
記録は少ない。
・2013年7月 S. Tom. (樵路巡遊)遡行図あり
https://shoro.sakuraweb.com/shoro/tani/chikumahigashi
・2015年5月 ぜいぜい他2名
http://zeizei.blog5.fc2.com/blog-entry-950.html
○千曲川沿いの軌道跡
「樵路巡遊」で詳しく紹介されている。なお、この記録で終点と推測している松茸沢出合より上流にも軌道跡があることを今回確認した。
・2017年6月 S. Tom.
https://shoro.sakuraweb.com/shoro/haikei/kidouato
〇本件ヤマレコはこちら
1994年生。ぶなの会所属。大学に入ったタイミングで沢登りを始め、沢登り歴13年、訪れた沢は約1000本。沢を登るだけでなく下りも交え、一層その流域への理解を深めたいと考えている。最近は、情報の乏しい隠れた秀渓を探すのにハマっている。



























