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南ア|大武川 赤薙沢 ミツクチ沢遡行~離山~石空川北沢下降

2026.06.13

この週末は、同行予定者のキャンセルによりパートナー難民になった溝内さんと3人で行くことになった。いろいろ検討したが、天気が持ちそうで、そこそこ登り応えがありそう、かつ3人とも未訪のミツクチ沢を選択。

記録

日程
2026年6月13日〜14日
メンバー
たもしま、たな、ほか1名
天候
1日目晴れ、2日目晴れ後曇り
体4攀4悪4藪1水2
たもしま★8、たな★8
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独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。

・定義や意図は「源流徘徊」を参照。

・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。

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★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。

  • 赤薙沢ミツクチ沢:4級
    新日本百名谷。核心の大ゴルジュが有名だが、赤薙沢下部にもエイドクライミングを楽しめる連瀑があり、核心ゴルジュ以降は快適に登れる滝が連続するため、全体を通して遡行価値が高い。略奪点の滝も興味深い景観。崩壊が激しいため、渓相が変わることが多い。
  • 石空川北沢[ガンギの沢]:3級
    精進ヶ滝は東日本一の直瀑で、圧巻。遡行の場合、九段の滝は登れるが、以降は登れない滝が多い。滝場と平流部の区別が割としっかりしている沢で、下降しやすいため、南沢やミツクチ沢遡行時の下降ルートとして適している。途中の50m滝(奥精進ガ滝)も見応え十分。

大武川第五砂防堰堤:平成29年に完成した(下記)比較的新しい堰堤だが、満砂だし、鋼製スリットは破損しているしで、この流域の激しさを物語っている。 http://www.tanzawakensetsu.co.jp/tanken_zisseki_photo.html

赤薙沢に入り、赤薙の滝を左から巻くと、絶望的な2段27m滝。大きく右から巻いて、

沢床に戻ると、小さいが登攀困難な滝が現れる。水流右のクラックをtamoshimaがフルエイドで登攀。

また、エイドしないと登れない4m滝が出てきた。たなリードで登攀。

またまたエイドクライミングの滝が出てきて、溝内がリード。巻けばすぐ終わるのに、時間を食ってしまったが、面白かったので良し。

せっかく3連続エイドで連瀑を越えたのに、登れそうにない15m滝が出てきて、結局右から大高巻き。

大高巻きを終えるとナメが綺麗。

5mヒョングリ滝は左右共に登れた。

18mの「遠見ノ滝」は左の細い水流をくぐり、小さく巻く。

その上も明るいナメが美しい。この先でミツクチ沢が出合う。

ミツクチ沢に入り、序盤の7m滝は快適に直登。

大ゴルジュが始まり、核心のCS滝が出てきたかと思ったが、これは右から容易に巻けた。

岩間小滝を流木にすがって直登

これこそが核心のCS滝だった。最近は右から登るパーティが多いようだが、左の方がエイドせずに登れそうに見えたので、左へ。

右岸をリードするtamoshimaを滝裏から撮影。ぼろい箇所もあったが、無事にフリーで登ることが出来た。

巨大CSの7m2条滝は左の水流から登攀

ゴルジュ出口の2段40m滝は溝内リード。ぬめりとぼろさで時間がかかっていたが、フォローするときには両方なくなっており、楽だった。

ゴルジュを抜けても登れる滝が次々と出てくる

2段13m滝を快適に直登

多段60m斜瀑:この辺りでだんだん疲れてくる

10m滝も快適そのもの

最後の連瀑は多段30mで、これも快適

急なガレ沢の登りを経て、略奪点の滝に到着。ぼろいがかっこいい滝だ。

滝下を通り、右岸ルンゼを登る。途中から岩がぼろぼろになり大変だった。

石空川北沢の下降を開始し、少し進んだところでかなり快適な幕営適地があった

離山第1高点は、その南側の露岩帯に鰭状の奇岩群があり、とても面白い。お決まりの場所で記念撮影。

離山は、ミツクチ沢に来た際にはぜひとも寄り道ルートに加えるべきだ。

岩がぼろすぎて、右が岩を削りながら成長していると思われる木があり、興味深かった

35m滝は懸垂下降で下った。水量は少ない。

奥精進ガ滝を懸垂下降していたら、3人目の溝内さんが下降中にフローティングロープの外皮が裂けてしまった。

奥精進ガ滝を観瀑するのに適したベンチ状の木があった

南沢・北沢出合と精進ヶ滝の間に行者滝があるとされている(中村,1959)が、せいぜいこの程度の滝があるくらいで、よく分からなかった。

精進ヶ滝は、相変わらず立派。そして、これが無氷期に登られているというのはやっぱり信じがたい。

ミツクチ沢は、核心の大ゴルジュだけの沢かと思っていたが、赤薙沢下部でエイドクライミングを楽しめたり、核心ゴルジュ以降も登れる滝が連続したりと、期待以上の沢だった。1日で上まで登ったので疲れたが、大満足。ぼろい沢として悪名高いが、出来るだけ水線を攻めた結果、物凄くぼろいとは思わなかった。
 離山は、地形図上の山頂よりも、第1高点と呼ばれているピークの南側の奇岩群が素晴らしかった。確かに、愛好家に人気のあるピークなのも頷ける。
 石空川北沢は滝場と平流部の区別が割としっかりしている沢で、下降しやすかった。奥精進ガ滝の懸垂下降中にロープの外皮が裂けたり、精進ヶ滝の懸垂下降中に落石が脛に当たったりといったトラブルもあったが、充実した沢下降となった。
 全体として、充実感に満ちた山行となった。1泊2日でかなりお薦めの周回である。

装備・コースタイム

1日目:5:36 篠沢橋 – 6:04 朴の木橋 – 6:30 大武川第三砂防堰堤 – 6:49 大武川第五砂防堰堤 – 6:52 赤薙沢出合 6:53 – 7:00 赤薙の滝 – 10:01 遠見ノ滝 10:13 – 18:10 離山鞍部水場 18:12 – 18:20 帰着
(合計12:44/距離9.7km、登り2,644m、下り1,289m)

2日目:6:45 出発 – 6:56 離山 7:16 – 7:37 第1高点 7:48 – 12:05 奥精進ガ滝 12:53 – 13:57 精進ヶ滝 14:53 – 15:09 九段の滝 15:10 – 15:20 滝見台 15:32 – 15:42 三の滝(見返りの滝) 15:45 – 15:47 一の滝(魚止めの滝) 15:52 – 16:03 石空大断層露頭〈フォッサマグナ〉 16:04 – 16:11 精進ヶ滝橋 – 16:15 石空川渓谷駐車場
(合計9:30/距離8.1km、登り699m、下り1,883m)

ラバーソール適。
石空川北沢を下降するなら、ロープは50m2本推奨。ミツクチ沢遡行のみなら1本で可。

遡行図

地名

○沢名
・ミツクチ沢には、「ミノクチ沢/水ノ口沢」(平賀文男『南アルプスと其渓谷 : 時間記録と費用概算』,1931ほか)、「太目ノ沢」(岳人51号,1952ほか)という別名がある。
・石空川の北沢には「ガンギの沢」、南沢には「地蔵沢」という別名がある(小俣光雄,1976,アルプ225号)。なお、登山大系では南沢右俣の別名を地蔵沢としている。
・地蔵大橋のある沢も地蔵沢だが、これは南沢の別名の地蔵沢と混同されたためかもしれない。
○滝名
・赤薙沢のミツクチ沢出合下流にある20m程度の滝は、「遠見ノ滝」である(北村武彦『南アルプス北部』,1961)。
・北沢の50m滝は、近年の記録では「行者滝/行者の滝」とされるが、『二日三日山の旅』(中村謙,1959)に基づくと、「奥精進ガ滝」である。中村(1959)では、行者滝は南沢・北沢の出合すぐ下流にあるとしている。

周辺施設

石空川渓谷駐車場と、大武川工事用道路ゲート前に1台ずつ駐車。
石空川渓谷駐車場には仮設トイレあり、水場あり。

他の記録

両沢共に記録多数。主に参考にした記録を以下に挙げる。なお、赤薙沢流域は崩壊が激しいため、滝の形態が変わることが多い模様。
2025年10月 ミツクチ沢遡行・石空川北沢下降 hazuki2012r、takuya1004
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-8818272.html
2011年8月 ミツクチ沢遡行 大平、佐藤、大部、小阪
http://blog.livedoor.jp/e302/archives/1367444.html

〇本件ヤマレコはこちら

1994年生。ぶなの会所属。大学に入ったタイミングで沢登りを始め、沢登り歴13年、訪れた沢は約1000本。沢を登るだけでなく下りも交え、一層その流域への理解を深めたいと考えている。最近は、情報の乏しい隠れた秀渓を探すのにハマっている。

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