南ア|尾白川 唐音沢下部ゴルジュ遡行

記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 唐音沢:3級上
アプローチもそれほど遠くなく、結構立派なゴルジュの景観とクセのある滝の登攀を楽しめ、ゴルジュ好きにはお薦め。最後の滝以外は殆どシャワーを浴びずに登れるし、泳ぎはないので、ゴルジュ系としては珍しく、春や秋に訪れるのも良い。ラバー適。
2,3年前から気になってはいたが、まともに遡行できるのかどうか分からず、後回しにしていた唐音沢のゴルジュ。今回は、詳細不明のゴルジュが好きそうなメンバーが集まって転進することになったので、高巻きメインになるのも覚悟して訪れてみた。

高尾駅でピックいただき前泊。のっそりのっそり起床。 コメントは以下たな記。

駐車場で準備してたらtamoshimaさんがポケットからおもむろにスマホを取り出す。マッキーで直書きされたシュールさに私とyamakurumiさんで2分くらい笑い転げてた。

下降の涸れ沢は2箇所懸垂。全体的にボロく岩質は風化した西丹沢の沢とよく似ている。


本流の尾白川から入渓。そこまでパッとせず、小さいが面倒そうな滝に直登主義の皆様も流石に巻く笑

出だしの小滝を越えると、急に側壁はブッ立ち異様な雰囲気に。いかにも悪そうな滝が行く手を塞ぐ。

F1:クライミングシューズに履き替えtamoshimaさんリード。岩は脆く、しかもヌメる。効きが怪しいのでカムのランニングは間隔狭めに決めて、アブミを2つ設置しながら見事落口へ。一体何を掴んでどこに足を置いてるのか、凄いムーブが見れた。私は人工登攀前提の滝登りは経験が無い。アブミラダーってここまで登攀ルートをぶち開けることができるのかと感動した。

F1の上は何とも言えないトラバースが一ヶ所ある。岩の下から這い上がり、全く決まってないカムをナッツのように使って気持ち程度の手がかりを作り、苔むした岩を跨いで越える。ここは上から見るとなかなかシュールな光景だ。

F2:巨大CSと天井のような大岩が一つ、横からプロテクションが取れなそうな滝が落ちる。HG33さんが「ワイドクラックと土下座ムーブで行けるかも」と言っておりマジかと思った。人工登攀で経験を積むとこんな場所にもルートが繋がって見えてくるらしい…。右岸から巻き。

F3:前の2つの滝と比べると癖のない見た目をしているが悪そうな滝が現れる。この時は癖のない滝だと勘違いしていた。偵察のため中段まで登っていたyamakurumiさんとtamoshimaさんだが、tamoshimaさんが「下りヌメるから…」とフラグ職人した瞬間見事に回収し滑り落ちるyamakurumiさんであった。悪いゴルジュのど真ん中でドリフコントのような笑いで和ませていただき感謝、大事に至らなくて良かった笑

F3はyamakurumiさんリード。 出だしからホールドスタンスともにまともに使える凹凸が無くつるんとした一枚岩で悪い。微妙な凹凸と効かないフリクションで登る。フォローでも結構嫌なくらいにツルツルだった。奮闘しながらジリジリ進み無事トップアウトしたyamakurumiさん、流石の登攀力と強メンタルだった。

F3最初の支点 (yamakurumi補足:ばっちり決まってるように見えるが岩が丸ごと浮いており効いていない。簡単そうと思ってリードを買って出たのに非常に悪かった。それも上部に行く程悪い。全体にプアプロで落ちるとグランドする可能性があるため、個人的には直登はおすすめしません…。かと言って巻けるかも分からないですが…。)

F4:クラックを使って人工、落口の狭すぎる隙間を通過する。今まで登場した滝の中ではとりわけアトラクション要素が強く、メンバーも口をそろえて「楽しい」と笑みをこぼす。離陸に手間取り、落口に挟まって苦戦したのはきっと私だけだと思う!
なんとこの滝、キャメの6番がすごく良い所に決まった。こんなデカいカム沢登りで必要かなと半信半疑だったが、ちゃんと出番があった。




F5:高さは控えめだが絶妙に悪いCSが倒木のオマケ付きで行く手を阻む。滝は小さく2段になっている。yamakurumiさんが爆速で突っ込み、一度スリップしたのちフリーで突破。エイドのつもりで偵察しに行ったらフリーで登れる可能性が見えて我慢出来なかったとのこと。あぶみにしようとしたカムが外れたり色々あったが面白く突破し後に続く。

F5の2段目。この滝はなぜか私だけ特に激シャワーだった。HGさんはウェットスーツを着込んで突破。

最後、Ⅲ+程度の岩登りを交えてゴルジュを脱出し橋に出る。唐音沢にかかる橋には鞍掛沢橋と記載がある。その先のトンネルを抜けると、朝降りた下降点に一瞬で戻ってきた。こんなに狭い範囲内でずーーっと遊んでいたなんて。
・感想(たもしま)
結果としてはクセ強ながら登れる滝が多く、時間はかかったがその分面白かった。初めてキャメロット6番までを沢に持ち込んでみたが、結構使いどころがあって楽しかった。
アプローチもそれほど遠くなく、結構立派なゴルジュの景観とクセのある滝の登攀を楽しめ、ゴルジュ好きにはお薦め。意外にも最後の滝以外は殆どシャワーを浴びずに登れるし、泳ぎはないので、ゴルジュ系としては珍しく、春や秋に訪れるのも良い。
・感想(たな)
癖の強いメンツと癖の強い滝ばかりの癖しかないゴルジュ調査。白州は全くノータッチの山域だったが、こんな場所があったとは。改めて転進先の引き出しの多さに感服した。
200m進むのに1日かかる内容で、バチバチの人工登攀や沢であんまやらないようなムーブなど、個人的に今まで行ってきた沢とはかなり違うジャンルを経験することが出来た。
今回のような突破手段を身に付けられたら、もっと好き勝手なルート取りで山と谷を徘徊できるようになるだろうなとモチベーションが上がった。
登攀的な難易度では今期1番だったが、所々にギャグパートがあったお陰でワイワイ楽しむことができた。
装備・コースタイム
8:07 矢立石登山口 – 8:37 錦滝 – 15:46 錦滝 – 16:12 矢立石登山口
(合計8:05/距離8.9km、登り1,451m、下り1,446m)
ラバー、クライミングシューズ、トーテムカム1式、キャメロット3番~6番
キャニオニングコースとして整備されているようで、各滝には(ハンガーボルト+ラペルリング)×2の堅固な支点がある。
遡行図

地名
・唐音沢の読みは「からとざわ」らしい。(下記Webページに拠る)
https://www.suwa-ichiki.com/yama/
・唐音沢に架かる林道の橋の名称は「鞍掛沢橋」であるが、これは林道建設者が1つ先の左岸枝沢と取り違えた結果と思われる。
・「からと」は「唐戸」に通じ、屏風岩などと同様、岩が屹立することから付いた地名か。
下山メシ&周辺施設

沢を後にし、むかわの湯で温まる。サウナ屋のHG33さんは絶賛サ活に勤しんでいた。夕飯で訪れたみち草の親子丼は絶品!!私とHGさんが大人(親?)、tamoshimaさんとyamakurumiさんが子どもに間違えられる事案が発生したのでババ臭い雰囲気を出さないように気をつけようと思った。 また近くに来たら再訪したい。

翌日の行き先は決まらず、朝イチの予報を見て決めることにした。ザ・ビッグで買い物をし、木下道場を宿泊利用させていただいた。沢談義に酒が進み、楽しい時間を過ごすことができた。酒が苦手なtamoshimaさんは早めに寝てしまった。
この時、有難いことにHGさんが「若者に人工登攀技術を伝えたい」と声を掛けてくれた。隣で聞いていたyamakurumiさんも参加希望、シーズン終わりに再び集まる約束をした。 (yamakurumi:翌朝tamoshimaさんが寝ているHGさんを指差し、起きたら知らない人が一人増えてるんだけど…、などとあり得ない寝ぼけをかましていた。きっと体調が悪かったせいだろう。)
他の記録
(tamoshima記)
下部ゴルジュについて紹介されているのは登山大系のみを確認、但し各滝をどう処理するかは書かれていない。上流の右俣については遡行記録がWEB上にある。左俣の記録は未見。
右俣遡行(091031):http://yabuya3.livedoor.blog/archives/2175681.html
〇本件ヤマレコはこちら




















