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越後三山|水無川 西沢右俣&本谷遡行

2026.10.17

記録

日程
2026年10月17日〜18日
メンバー
たもしま、たな
天候
両日晴れ
体2攀3悪4藪5水2
たもしま★8、たな★8
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独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。

・定義や意図は「源流徘徊」を参照。

・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。

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★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。

  • 西沢右俣:3級上
    マイナー支流である西沢のさらに支流であり、登られた記録を見ない。水量は少ないが、側壁が立派なゴルジュがあり、登れる滝が連続し、詰めは比較的楽で、詰め上げた先の尾根も比較的藪が薄く、歩きやすい。1泊2日で西沢へ行くなら、ついでに登っても損はない。ラバー適。
  • 西沢左俣(本谷):4級上
    水無川の奥地にある不遇な支流で殆ど登られていないが、快適に登攀できる75mのスラブ滝や突破しがいのあるゴルジュ等、充実した遡行が楽しめる。登れない滝もいくつかあるが、巻きは比較的悪いものが多く、全体的に難しい沢。詰めの藪が非常にきつい。ラバー適。

水無川の西沢はマイナーではあるが、空中写真を見ると、良さそうなスラブ滝があるし、僅かな記録では雪渓下の未知が残っているから、いつか行こうと思っていた沢だった。
雪渓がかなり残りやすい沢であることは分かっていたが、雪渓が少ない今年の、しかも10月になれば、もう残っていないだろうと思い、紅葉も楽しみに、登ってみることに。

1日目:水無川本流~西沢右俣

越後三山森林公園に駐車。ジムニー等の小さくて走破性の高い車輛であれば、もっと奥まで入れるかもしれない。もう何度も歩いている林道と水無川本流のゴーロ帯を進む。

袂分ちのゴルジュは今回は巻くことにした。定石のルンゼを登りトラバースしたのち、おそらく唯一の地形の弱点であろう谷地形を降りていくとトラバース+クライムダウンでかなり小さく巻けた。これはコスパの良い巻きルートだ。

その先のゴルジュ帯も順調に登っていく。

ようやく西沢の出合が見えてきた。

最初の滝がいきなり癖有り。ヌメるシャワーでトラバースし落ち口へ。

すぐにかっこいいゴルジュ帯になる。やばそうな滝があると思ったが…

超快適に登れた。

ゴルジュは続き、ガッツリ雪渓が残っていた。右岸から本谷が滝となって出合う。テンバにするならここの河原しか無いため、あまり快適ではなさそうだが仕方ない。いくつか荷物をデポして右俣遡行を続ける。

すぐ奥の滝は右から快適に登れる。

岩の殿堂に紅葉が映える。美しい。

この滝は何となく右壁が登りやすい気がして声をかけたら、右に行ったたもしまがセミ化した。接近すれば真ん中の方が登りやすかった。ごめんね。

これも絶妙に癖の強い滝だった。適度に登り応えのある滝が続いて楽しい。

詰めは薄い藪を漕いで尾根に上がる。すると、こんな辺鄙な場所にピンクテープが!誰が何の目的で入ってるのだろうか…。酔狂な藪ヤがいるのかもしれない。

藪尾根からは、真沢や北沢方面が良く見える。

明日登る予定の本谷も良く見える。かっこいいスラブ滝が続いている。

尾根を離れ、スラブ交じりの藪を降りてデポ地へ戻ってきた。

星降るゴルジュ。テンバは滝のしぶきがかかるが、ツェルトを張ってしまえば問題ない。

2日目:西沢左俣(本谷)

翌朝。雪渓の後ろに紅葉で鮮やかに染まったオカメノゾキが見える。

ホテル西沢。

本谷の滝は水流横から快適に登れる。1ピッチ目たもしまリード。岩が冷たくて手がかじかむ。

2ピッチ目たなリード。以降は各自フリーソロでサクサク登る。はずだったが、ここでスリングが1本足りない事に気付く。テンバに置き去りにしてしまったようだ…。藪からロープを垂らし、たもしまが回収に向かった。タイムロス。

気を取り直してスラブ滝登りを再開。越後らしい開放的な景色。

シャワーで登る。快適に登れる滝は良いが、巻きになると一癖ある滝が多い。

フォローのたもしま。

この連瀑は2個目の滝が厄介。

たもしまがエイド交じりで登る。登れない滝ばかりであれば潔く巻くのだが、頑張れば登れる滝や頑張れば小さく巻ける滝ばかりなので時間がかかる。気づいたら昼を過ぎていた。

二俣に到着。

本流(左沢)と右沢の中間尾根は途中かなり低くなっていて面白い。

これは快適シャワーだった滝。

これは巻きが少し厄介。

最後の滝は快適に登れた。だんだん沢が細くなり、藪っぽくなっていく。地形図から見て覚悟はできていたが、この沢は詰めの藪が激長い。右岸ルンゼから詰め始めたがもう1本上流の右岸ルンゼの方が少しマシだった可能性がある。

石楠花、笹薮、灌木、針葉樹ミックスの空中戦の末、無事にグシガハナの登山道へ出た。八海山に夕日が沈む。
満足しながら、最後はヘッデンを付けて極楽尾根を下山した。

・感想(たもしま)
まさか、まだ雪渓があんなに残っているとは。西沢は、水無川流域でも特に雪渓が残りやすい場所なのだと思う。とはいえ、崩れていてその下に滝やゴルジュはないことは確認できたので、雪渓下の未知の解明としては十分だろう。
西沢本谷は想像以上に悪い沢で、何度もロープ登攀をしたり悪い巻きをこなしたりで時間はかかったが、その分充実感はあった。完全遡行した記録がなく、ここ数年気になっていた西沢を右俣も含めて完全解明でき、満足である。
最後の薮が酷すぎるのは救いようがないが、水無川が好きなら訪れる価値はある1本だと思う。

・感想(たな)
楽しみにとってある雪渓下の未知シリーズが着々と完了していくのは、嬉しいやら寂しいやら。
西沢はスラブ滝、岩の殿堂、雪渓の真横かつ大滝下のテンバが楽しめる燻し銀マイナー沢。紅葉が綺麗なので秋に良いが、シャワーの滝がそこそこあるので寒すぎると大変かもしれない。
上部は厄介で面倒な滝が続いて詰めの藪漕ぎも長い。オツルミズや真沢、北沢がある流域でこれは流行らないかもしれないが、水無川を知るうえではとても良い1本だと思う。

装備・コースタイム

・ラバーソール適
・ロープは30m1本で可

1日目:9:07 スタート地点 – 9:15 光岩砂防堰堤 – 9:21 見返りの滝 – 9:25 魚止滝 – 9:28 八海砂防堰堤 – 9:35 大雪橋 9:36 – 9:41 十二平 9:42 – 9:49 八海第2号砂防堰堤 9:52 – 10:29 デトノアイソメ 10:30 – 10:46 暗峡 10:47 – 12:20 西沢出合 – 15:16 右俣詰め終わり – 17:04 宿泊地
(合計7:57/距離9.0km、登り1,174m、下り617m)
2日目:7:52 宿泊地 – 16:52 グシガハナ 16:53 – 18:42 十二平 – 18:45 千畳岩 18:46 – 18:56 八海砂防堰堤 – 19:00 魚止滝 19:01 – 19:05 見返りの滝 – 19:11 光岩砂防堰堤 – 19:18 ゴール地点
(合計11:26/距離7.5km、登り1,014m、下り1,599m)

遡行図

地名

・西沢について、異説はない。確認できた範囲での初出文献は、「上越国境」(塚本閤治, 1946)。
・越後三山集成図(藤島玄,1963)では、西沢と北沢の間に「東沢」があるが、当時の地形図の不正確さによる実在しない沢筋である。藤島玄によりその後に編集された越後三山・只見集成図では、西沢、東沢共に掲載されていない。

下山メシ&周辺施設

○東軒
水無川流域下山後最短距離にある食事処。レトロな雰囲気漂う街中華で、味もよくオススメ。

他の記録

 西沢の記録は非常に少なく、下記1件のみを確認。右俣と、上部二俣の左沢(本流)については記録未見。
・1974年9月 L薄田渉、近藤文雄(暁山岳会) 渓谷溯行資料10(原典は暁山岳会6号)
 確認できた唯一の西沢の記録で、本谷を登り、上部二俣は右に入っている。登山大系の記述では上部二俣から中間尾根を詰めているため、登山大系はこれとは別の山行に基づいて書かれているようだが、その記録が残されているのかは不明。

〇本件ヤマレコはこちら

1996年生。就職後に沢を始め実践歴8年、訪れた沢は約600本。SAWA MAFIA所属、源流徘徊主宰。山・渓・里を繋ぐ沢旅が好き。オリジナルラインの遡下降と山の背景ネタを大切に、沢起点で流域の風土をまるごと読み解く探究を目指している。

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