天子山地|麓川 麓唐沢(仮)遡行・黒岩沢下降・不動の滝登攀

3月22日に堰口川の本流へ行ったが、時間と装備の不足で途中撤退した。その続きが気になるので、4/19に行くことにしたが、前日の4/18に行く所として、同じ静岡県東部で何かないかと探し、目についたのが毛無山南面だった。空中写真ではスラブ滝が多そうに見えるが、水量は少なそうなので、この時期丁度良いだろう。
時間が余ったら金山沢遡行か、不動の滝登攀でもしようかと思っていたが、結局、現地で目の当たりにすると登ってみたくなったので、不動の滝を登攀することになった。
記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 麓唐沢(仮称):2級下
水量がかなり少なく伏流区間もあるが、スラブが発達した渓相でスラブ斜瀑が多く、開放的で渓相は良い。登れる滝が多く、水線に拘れば登り応えのある滝もあるが、巻き気味に登るならどの滝も容易。水量は少なく南面で日当たりが良いので、暑い日には不適。 - 黒岩沢:2級下
不動の滝以外に大したものはなく、1380mに湧水があってその上流は涸れ沢のため、遡行には適さない。 - 不動の滝
2段45mの滝で下段V、上段VI-A1程度だが、上段は右岸リッジから巻ける。巻く場合はⅢ+らしい。ロープスケールは下段で35m程度。

砂防指定地の案内図:竹川沢、金山沢という沢名が書かれているが、地元での名称とは異なる。行政名が地元名と異なるというのは、良くあることだ。

堰堤を2つ巻き、伏流ゴーロを登っていくと、空中写真から予想したとおり、多段20mのスラブ滝が出てきた。右岸の側壁も立派で良い感じだ。

この滝の右岸の岩にRCCボルトが打たれていた。登攀に役立つ位置でもないので、訪れた証として残したのだろう。


水量は乏しいが、乾いた岩を快適に登れる

ちょっと立派な12m滝が出てきた。左から登れば容易だが、せっかくなので右の水線を直登。


14m滝を水線にこだわって登ってみたら、結構登り応えがあった

7m涸れ棚の下で湧水があり、その上流は水がなくなる


さらに登っていくと水流は復活して斜瀑が現れたが、簡単に登れた。この先でガレて水も消えたので、黒岩沢へトラバース。

黒岩沢は涸れ沢が続いたが、14m滝の下で急に多量の湧水があり、しっかりした沢になった。これは不動の滝の上流の2段7m滝で、それなりに綺麗。

不動の滝は左岸から容易に巻き下り、その下段。傾斜は強いが、確かに登れそうな気がする。


下段をリードするtamoshima。しっかり防寒していたので、まだまだ気温も水温も低いが大丈夫だった。


上段をリードするたな。ずいぶん時間をかけて登っていたが、実際、フォローでもかなり厳しい難度だった。時間的な問題と寒さから、tamoshimaはゴボウでフォロー。
麓唐沢は、予想通りにスラブが発達した沢で、開放的であり、水も結構上まであって、遡行価値はある沢だと思った。
黒岩沢は、上部はずっと涸れていて、稜線まで遡行する対象にはならない。
不動の滝は、下段だけでも登り応えがかなりあるが、残置が豊富なので、難しさの割には取り付きやすい。上段は非常に難しく、残置もなければプロテクションも取りやすくないので安易に取りつくことは薦められない。我が妻ながら、よくぞこれを登り切ったと思う。自分だったら途中でやめて降りてきたかもしれない。
大して頑張る気もなかったのに、厳しい大滝を登ってしまい、やり切った感が出た一日だった。
装備・コースタイム
8:53 出発 – 8:55 地蔵峠・毛無山分岐点 – 12:55 不動の滝 14:33 – 15:10 不動の滝 17:30 – 18:06 地蔵峠・毛無山分岐点 18:22 – 18:22 帰着
(合計9:29/距離5.4km、登り931m、下り930m)
・スラブ滝が多いのでラバーソール適
・不動の滝の登攀にはクライミングシューズがある方が良い
遡行図

地名
毛無山周辺の地名については、山村民俗の会の「あしなか」13号(1949年9月)に掲載されている、宮崎茂夫による「天子山塊の旅」に詳しい。
○遡行した沢
名称を記載した資料は未見。黒岩沢への合流点から暫く上流までは水が伏流していること、麓集落に近いことから、麓唐沢と仮称する。
○下降した沢(不動の滝のある沢)
現地に掲示されている砂防指定地の案内図や、現地の堰堤では「金山沢」だが、これは登山道沿いの沢の名称であるため、宮崎(1949)に従い黒岩沢とする。
○登山道沿いの沢
現地に掲示されている砂防指定地の案内図や、現地の堰堤では「竹川沢」だが、宮崎(1949)に金山沢とあり、多くの遡行記録でも金山沢としている。
他の記録
麓唐沢、黒岩沢共に沢登りとしての記録は未見。ただし、麓唐沢には残置RCCボルトがあったことから、かつて登られていると思われる。
不動滝は大滝登攀の対象として登られており、古い残置ハーケンやボルトが多数ある他、2014年にも登られている。
・2014年9月 木下徳彦・藤巻浩 不動の滝登攀(下段:水線、上段:右岸リッジ)
https://ameblo.jp/sawakanu/entry-12912844643.html
〇本件ヤマレコはこちら
1994年生。ぶなの会所属。大学に入ったタイミングで沢登りを始め、沢登り歴13年、訪れた沢は約1000本。沢を登るだけでなく下りも交え、一層その流域への理解を深めたいと考えている。最近は、情報の乏しい隠れた秀渓を探すのにハマっている。
















