伊豆|白田川 堰口川本流遡行

記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 堰口川本流:2級
伊豆半島で唯一の泳ぐ沢で、発達したゴルジュがあり、水量も多い。ゴルジュは3箇所あり、下部ゴルジュには滝下の抉れが凄い滝がある。中部ゴルジュは登攀困難な滝を連ねて大迫力だが、巻くのは容易。上部ゴルジュは快適に直登できる滝を連ねる。
3月22日に途中まで遡行して撤退して以来、続きが気になって仕方なかったが、直前にまとまった雨が降る週末が続いたため、結局1か月後になってやっと再訪することになった。
撤退時の記録はこちら↓。

白田林道のゲート前に駐車。前回歩いた真っ赤なゴーロ区間はパスし、かなくそ沢(右岸支流)合流点付近から入渓。下部ゴルジュ最初の滝は、前回は右岸をトラバースして突破したが、同じではつまらないので右壁の直登を試みた。結果、ショルダーで登攀成功。

最初の滝を登って振り返る。相変わらず、しょっぱなから凄いゴルジュだ。簡単に巻けるけれど。

「大穴滝」:前回は寒かったので穴には入らずさっさと巻いたが、せっかくなので穴に入ってみた。なかなか神秘的な空間だ。

穴の反対側から穴を見ても、その立派さがよくわかる。今回はこの滝を前回とは逆の右岸から巻いてみたが、左岸より多少楽かもしれない。

前回撤退した4mCS滝に到着。が、前回より明らかに水量が多い。水流が強く取り付くのも大変だった。水量が多いので前回目星をつけていた水線は登れそうになく、右岸でエイドやショルダーも試みたが、結局断念して大きく巻く。残念。

巻きは容易で、撤退した滝の落ち口へ。上流側を見れば、今度は取り付いてみる気にすらならない5m斜瀑、なんて美しく、立派な釜なんだ。素晴らしすぎる。

5m滝の上流は水路状になっており、その奥には4mCS滝。この水量では、激流に太刀打ちできないだろう。

4mCS滝まで巻けば、やっと水線を遡行可能な渓相となる。なかなかの美渓だ。


中部ゴルジュが終わると、堰堤や山葵田跡が出てきて、人臭い感じになる。急激な変化に頭が追い付かない。

地形図にも滝記号のある簀滝に到着。水量も多いし、結構大変かと思ってロープを出したが、とても快適に登れる滝だった。

簀滝の上流は凄いゴルジュになっているが、この滝は登りやすくて拍子抜けだった。ロープを出したのにノープロテクションで登攀。

上部ゴルジュは最後まで簡単快適かと思ったら、最後の4m滝が意外に難しかった。 以降は何もなさそうなので林道へ詰めて終了。
・感想(たもしま)
3月22日に訪れた時から、只者ではない沢なのは分かっていたが、未解明だった部分も期待を裏切らないものだった。下部ゴルジュは、前回は入らなかった大穴滝下の穴に入ってみたところ、感動的な景観だった。中部ゴルジュ最初の滝が登れなかったのは残念だったが、その後半には取り付いてみる気すら起きない厳しい滝を連ねていて驚かされた。打って変わって上部ゴルジュは見た目以上に登りやすい滝が連続し、快適に楽しく突破できるゴルジュで、その意外性に驚かされた。
もともと登られている沢が少ない伊豆半島に毎年のように通い、次々と未開の沢を明らかにしてきた自負があるが、まだこんな大物が残っていたとは。これを発見できたのは、開拓者としてこの上ない僥倖である。
本記録を参考に、ぜひ多くの人にこの素晴らしい渓谷を堪能してもらえればと思う。
・感想(たな)
よもやよもや、伊豆半島にこんな大渓谷風トンデモゴルジュがあったとは。
ゴルジュの側壁が山葵田の石垣で、その石垣から大量のスダレ滝が落ちる光景も良い味出してた。凄い所に山葵田作ったなぁ。
前回より明らかに水量が多かったが、天城の山の保水力的にこれくらいがデフォなのかもしれない。以前せっかく登攀ルートを見出だしたラインは、触れれば吹っ飛ばされそうな水流になっていた。
伊豆半島の成り立ちも相まってか、酸化鉄で真っ赤な湧水やジオい地形が目立ち、常にワクワクしながらの遡行だった。火山系の沢は特異な景観が生まれやすい。
いつか巻かずに完全遡行する人が現れるのを期待します。
装備・コースタイム
9:00 白田林道ゲート – 12:58 簀滝 14:08 – 14:40 白田林道ゲート
(合計5:40/距離6.5km、登り666m、下り664m)
・ラバーソール適
・ロープは30mで可
遡行図

地名
・堰口川は白田川の本流であり、2級河川としての名称は白田川で統一されている。
・地形図に滝記号のある滝について、関東南部の渓流(鈴野)では「簀滝」とされている。読みは不明。
・下部ゴルジュの先の、左岸が洞穴状になっている滝について、名称不明のため、「大穴滝」と仮称を付す。
他の記録
・沢登りとしての記録は未見。
・2024年3月に簀滝を見に行った滝屋のInstagramがある。
https://www.instagram.com/p/C4XuDKzPgXs/
〇本件ヤマレコはこちら
1994年生。ぶなの会所属。大学に入ったタイミングで沢登りを始め、沢登り歴13年、訪れた沢は約1000本。沢を登るだけでなく下りも交え、一層その流域への理解を深めたいと考えている。最近は、情報の乏しい隠れた秀渓を探すのにハマっている。













