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【NZ南島沢登り】Zig Zag Creek North Branch 遡行 South Branch 下降

2026.01.04

West Coast,Haast Pass周辺の沢のポテンシャルには驚かされるばかりだ。キャニオニングの楽園において、沢登りで楽しめる渓谷がしっかり存在する。Zig Zag Creekは、下部のみ現地キャニオニアによる記録があるが上部は未踏と思われる。向かいにあるCross Creek遡行時に見えた源頭部の渓相があまりにも良すぎたため、今回の遠征最後の沢としてチョイスした。
右俣と左俣のどちらを遡行にあてるか迷ったが、見えた渓相的に左俣遡行が良いかと考え、最終決定は現地の二俣で行う事とした。

記録

日程
2026年1月4日~5日
メンバー
たもしま、たな
天候
曇り時々晴れ
体2攀3悪2藪1水3
満足度
たもしま★10、たな★10
  • Zig Zag Creek North Branch
    ブロンズ色の草原に煌めく釜、ナメ、プチゴルジュ、登れる滝が連続するこの上ない美渓だった。沢登りのあらゆる要素が濃縮されている。この沢のためにNZへ行っても良い。
  • South Branch 
    North Branch同様に美渓だが、岩がやや脆く滝が大きいため少し荒削りな印象になる。遡行だと巻き主体になるかもしれないが、下降ならひたすら楽しい。水がとても澄んでいる。
大滝
この少し上で撤退
釜持ちの美しい斜瀑が多い
ナメ~~~
たなが空荷で登って荷揚げする
少し泳ぐ所も出てくる

斜瀑と小ゴルジュ状の滝をいくつか越えると二俣に到着。北俣と南俣は1:1で出合い、可愛いらしい両門の滝になっていた。北俣はかつて河川争奪で南俣に合流した雰囲気があり、地形図で見ても不思議な屈曲を造っている。そのまま北俣を進んでみることにした。

途中、森が川と近くなり、ゆるやかで美しいゴーロ帯にも癒される。沢が大きく東側へ屈曲する箇所は、地形図ではうっすら旧河川の名残を感じるが、現地ではよく分からなかった。

屈曲の先でも美しい扇状の斜瀑が続き、うち1つはロープを出した。ポットホール状にボコボコ削れたナメ、シャワーを浴びまくる滝、煌めく釜、コケの絨毯、快適に登れる滝群、変化に富んだ素晴らしい渓相だ。Cross Creekのスケールアップ版かなと考えていたが、全然違う。沢登りのあらゆる要素が濃縮された秀渓だ。

40m滝。水流右の草付きからたなリード。
先行して登るたもしま
片岩の造形美が光るプチゴルジュ帯
完全にアスレチック

やがて森林限界を迎えると、息をのむような空間が広がる。ブロンズ色の草原にナメ、釜、小滝が連続するこの上ない美渓だった。これ以上の「楽園」あるだろうか?

17時頃、草原の中を穿つ谷地形を進む中で快適な平地を見つけたため、幕営とした。整地不要のコケの絨毯だが、全然ジメジメしていない。斜瀑を眺めながら寝転ぶ。この上ない贅沢だ。

神テンバ・オブ・ザ・ライフ

翌朝、どこまで行っても美しいブロンズの草原と連瀑帯を進む。振り返ると後ろに見える対岸の山々も壮観だ。「The ニュージーランド」といった景色が広がる。そして全ての滝が快適にフリーソロで進めるから凄い。
こんな沢が、下部のみのキャニオニングでしか遊ばれていないなんて本当に信じがたい。

後ろ髪を引かれながら、大きな雪田が出てきたあたりで南俣へのトラバースを開始した。

Raoulia youngii(和名無し、NZ固有種)

南俣へ入ると、ナメだけでなくガレが目立つようになる。すぐ隣の谷筋なのに、北俣と比較し岩が脆いようだ。

黄金の草原を穿つ連瀑帯は、クライムダウンと巻き下りを合わせながら降って行く。巻き下りといっても、谷地形の縁を歩く感じなので快適そのものだ。
やがて、地形がスパっと切れ落ちて大滝が現れる。側壁も高くなり、懸垂下降が連続する区間へ突入した。
澄んだ釜と大滝を交互に眺めながら進む。北俣と比較し地形がデカく、やはりこちらの方が下降向きの沢だったようだ。登りだと高巻き主体になってしまうかもしれない。

南俣を下降開始
谷底を眺めながら巻き降る
大滝(右岸ルンゼから巻き降り)

だいぶ下ったところで、キャニオニング用の目印や支点が現れた。ここから先は人が入ってる区間になるが、支点は少し古いものが多かった。
やがて昨日の二俣まで戻ったので、沢を出て左岸側の適当な斜面を歩いて下山した。日当たりの関係か、ここの斜面は乾燥していてあまりコケの森は発達していなかった。

総じて、遡行も下降も変化に富んだ内容の濃い美渓だった。豊かな森、ナメ、ゴルジュ、煌めく釜、コケの絨毯、登れる滝群、神テンバ、どこまで行っても美しいブロンズの草原。正直、ここまで完成された沢を見つけられると思っていなかった。Zig Zag Creekは「(地形の険しさゆえ)登れない沢が多い」というNZ沢登りの概念を完全に覆す名渓として、きっと名を轟かすだろう。

今後NZへ沢登りに行く方はぜひ訪れてみてほしい。
なんなら、この沢のためにNZへ行く価値は十分にあると思う。

装備・コースタイム

40mロープ、50mフローティング、ラバーソール、カム、ハーケン、ウェットスーツ

【1日目】駐車スペース7:58-幕営地15:50
【2日目】幕営地8:20-ゴール地点16:38

遡行図

地名

今回の遠征のみでの知見だが、NZの国道沿いの渓谷は、国道から見える印象で比較的安直に名前が付けられている気がした。
国道を横切るからCross Cleek、コケむしてるからMoss Cleek、Zig Zag Creekも谷筋がジグザグだがらこの地名なのかもしれない。

下山メシ&周辺施設

NZのレストランは色々高いし営業時間も短く、夕飯はほとんどスーパーの惣菜コーナーで購入した。
大手スーパーのNew Worldは品揃えや惣菜の美味しさ、お菓子の量り売りコーナー含めお気に入りになった。

1996年生。社会人から沢を始め実践歴8年、訪れた沢は約600本。SAWA MAFIA所属、源流徘徊主宰。山・渓・里を繋ぐ沢旅が好き。オリジナルラインの遡下降と山の背景ネタを大切に、沢起点で流域の風土をまるごと読み解く探究を目指しています。

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