南ア|大井川 胡桃沢遡行・西藤島沢[藤島沢]下降

今年は東俣林道通行許可を頂いているので、林道沿いの興味深い沢はできるだけ多く調査しておきたい。胡桃沢、西藤島沢ともに地形的に興味深いが、記録は全くないので、状況を調査することにした。
記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 胡桃沢:2級上
長めのゴーロが2箇所あるが、それ以外はゴルジュに滝が連続し、快適に登れる滝が多い。面倒な巻きや詰めもなく良い沢だが、東俣林道は一般車通行止めのためアプローチが遠いのが欠点。 - 西藤島沢:3級下
側壁が立派で滝も多い沢だが、比較的大きい滝が多く、登れないものが多そうだった。巻くのも大変かもしれない。胡桃沢遡行時の下降ルートとしては丁度よい。下部にある38m程度の滝はかなり立派。胡桃沢同様、アプローチの長さがネックである。

リニア中央新幹線工事の事前環境調査として、東俣林道通行許可を頂き、路肩に駐車。堰堤を巻くため最初は森を歩くが、こんなところに「井川森林組合胡桃沢事業所」なるものがある…

中は酷い有様だった。腐った畳、かびた布団。掲示されていたカレンダーは、2006年…

堰堤を巻いて胡桃沢に入渓し、ゴーロを登っていくとゴルジュが始まる。序盤は快適な滝が多い。

この2段17m滝は水に磨かれたつるつるの岩が美しい。登れないので右から巻くが、やや悪い。


登攀困難な10m滝がまた出てきて、右から容易に巻く。

この6m滝は右のくぼみが良いホールドになり、直登



2段12m滝:上段がもろくて嫌らしげだったので、ロープ使用

左から枝沢の入る10m滝は、右から小さく巻いて落ち口へ出たが、結構悪くてロープ使用


またゴルジュになり、狭くて威圧感があるが、さほど困難な滝はない


8mCS滝も、ラッキーなことに右が容易

ゴルジュは続くが大した滝はなく、最後は水がほとんどなくなったところでハング滝が出てきたので、遡行終了し西藤島沢へトラバース。

西藤島沢は少し下るとすぐに滝が出てくる。これは懸垂下降した18m滝。遡行の場合、巻くのも大変そうだ…

2条6m滝:悪いクライムダウンだった

快適にクライムダウンできる滝も多い




大滝38m(ドローンで撮影):想像以上に立派な滝だった

大滝前衛の18m滝と、大滝(ドローンで撮影):まとめて右岸から大きく巻いたがそこそこ悪かった。



大雨の翌日とはいえ想像以上にヌメらず快適な沢で、胡桃沢は快適に登れる滝が多く、西藤島沢もさほど面倒なく下れ、優れた日帰りの周回ルートだと感じた。が、沼平まで長距離運転し、さらに東俣林道をわざわざ歩いてこれらの沢へ行く人など、そうそういないであろう。せっかくよく整備された林道があるのに、勿体ないことである。
この貴重な機会がなければ今後もずっと未解明な沢であったであろう、これら2本の沢を開拓でき、満足しているし、機会を与えていただいたことに感謝している。
装備・コースタイム
8:11 出発 – 12:11 尾根越え – 16:09 帰着
(合計7:58/距離5.4km、登り1,270m、下り1,270m)
・ラバーソール適
・ロープは50m1本使用
遡行図

地名
・西藤島沢は、単に藤島沢と呼ばれることもあるが、本記録では「中部山岳の渓流」(鈴野,1983)や「南アルプスと其溪谷」(平賀,1931)に従い、西藤島沢とする。なお、大井川の左岸側に東藤島沢も存在する。また、「赤石溪谷」(平賀,1933)では西藤島沢の別名として「唐松沢」が併記されている。
他の記録
・胡桃沢、西藤島沢ともに記録未見。
〇本件ヤマレコはこちら
1994年生。ぶなの会所属。大学に入ったタイミングで沢登りを始め、沢登り歴13年、訪れた沢は約1000本。沢を登るだけでなく下りも交え、一層その流域への理解を深めたいと考えている。最近は、情報の乏しい隠れた秀渓を探すのにハマっている。



























