守門|破間川大雲沢~黄蓮ハゲ沢遡行・上祝沢滝ノ倉沢下降

大雲沢は、守門岳南面を穿つ美しいゴルジュの沢だ。2020年、大西良治氏の書籍「渓谷登攀」出版後、沢登りの記録がWEB上でも増えてきた印象だ。実はこの沢、2019年にゴルジュ入り口まで散策に行ったことがある。巨大な雪渓の冷気が深く切れ込んだゴルジュ内を満たし、ベールのような支流滝が光を浴びて煌めくあまりに神々しい光景に度肝を抜かれ、当時「この先は迂闊に入れない場所だ」と直感した。そんな思い出の沢と再会。今回は無事に遡行できるだろうか。
記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 大雲沢:4級下
下部は壮大なゴルジュで素晴らしい景観。コケに覆われた深く暗いゴルジュの側壁にベールのような支流滝をいくつも落とす。二俣を左に入るとやや難しい滝が出てくる。 - 黄蓮ハゲ沢:4級下
黄蓮ハゲ沢に入ると登れる滝が多く、藪漕ぎもなく登山道に詰めあがる。登れない滝が多く詰めで藪を漕ぐとされる中ノ峰沢よりも遡行価値が高いと思われる。ラバー適。 - 上祝沢滝ノ倉沢:2級下
等高線密度が高い部分は連瀑帯となっているが、いずれも登りやすい滝で見応えもあまりない。下部と上部はぼさったゴーロで伏流区間もあり、つまらない。大雲沢遡行時の下山ルートとして使えなくもないが、登山道を下降した方が快適で速い。

守門岳の大原登山口駐車場(トイレ有)に駐車し出発。 少し登山道を歩いて、適当な藪斜面を下って入渓。早速ゴルジュが始まる。布引の滝がサラサラと落ちる。



8×10m滝は快適シャワークライミングで進む。

ゴルジュ内にでてくる取水堰は現役で、駐車スペース脇の水路を流れる水はここから引いている。


取水堰を過ぎると沢が開け、下ノ平に出る。右岸からツバクロ沢が出合い、奥に立派な滝が見えた。

間髪入れずにゴルジュ第2セクション。4mCS滝は右から容易。




ゴルジュ内の快適な小滝をいくつか越えると、中ノ平の河原に出た。左俣へ進むと、ゴルジュ第3セクションが始まる。



核心と言われていた10m滝。通常左のボロ壁から巻き気味に登るそうだが、フリクション良好な水線を直登した。フェルトソールのtakenakaさんのみ、ユマールしてもらう。

予想よりあっさりゴルジュが終わってしまい、奥ノ平に出た。黄蓮ハゲ沢(左)と中ノ峰沢(右)が見え、黄蓮ハゲ沢へと進むことにした。ここからは超明るく開けた渓相の中、登りごたえのある滝が続く。


20m滝はtakenakaさんリードで直登。写真はフォローで登るたな。

水が大きく減った17m滝はタスクさんリードで直登。右の草付きから取り付いてハング上のバンドをトラバースするライン取りだ。

初めて見る怪しいギアで中間支点を取っていた。聞くと「テリア」というアイテムで、ハーケンを受け付けないリスにも丁度いい塩梅で決まるため今では完全に一軍装備の仲間入りとなった。


そのまま、大した藪もなく快適に登山道へ詰め終えた。守門岳までピークハントしに登った後、下山開始。登山道と上祝沢の分岐で、たもしまとたなのみ沢下降を選択。

下降した上祝沢は、藪っぽい区間が多いが、滝はクライムダウンできるものが多い。

道と交差するボックスカルバートまで降りたら脱渓し、登山道下山の2人のもとへ合流。上祝沢は特筆すべき何かがある訳ではないが、以前大雲沢へのアプローチでボックスカルバートより下流を歩いていたためラインを繋げられて嬉しかった。
雪渓が解け切った大雲沢は、かつてイメージしたよりも人類をウェルカムしてくれる渓谷だった。神秘的なゴルジュを抜けると明るく開けた連瀑が広がる秀渓だ。
装備・コースタイム
6:52 大原登山口 – 7:36 布引ノ滝展望台 7:42 – 7:44 布引ノ滝 – 8:26 下ノ平 8:27 – 8:38 中ノ平 8:39 – 9:44 奥ノ平 10:13 – 15:07 守門岳 15:14 – 17:55 帰着
(合計11:03/距離8.3km、登り1,269m、下り1,267m)
ラバー適。
遡行図

翌日談
私は有給が取れなかったのでそのまま帰宅。翌日、男性陣3人はフナクボ沢大滝を登ってきたとのこと。この滝は紅葉がめちゃくちゃ綺麗なので秋もオススメだ。

他の記録
〇本件ヤマレコはこちら
○同行者の鈴木助による記録(※プロローグが面白すぎる)
https://kesshosha.com/sawanobori_ookumosawa/






















