魚沼|破間川 大深沢川右俣下降・左俣遡行

記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 大深沢川・右俣:2級
320m付近に26mの立派な滝があるが、つるつるで直登不能、下降の場合は懸垂下降が無難。それ以外に大したものはないが、左俣へのアプローチルートとしては利用価値がある。 - 大深沢川・左俣:4級上
左沢には日本有数と思われる狭さで圧巻のゴルジュがあり、登り甲斐のある滝もあって、素晴らしい。その上流もゴルジュは続き、奥には登攀困難な11m滝があって、巻くのも比較的難しい。右沢にも小滝が連続する狭いゴルジュがあるが、側壁はそれ程高くない。
9月ごろに航空レーザー測量データを見ていたところ、探検しがいのありそうな地形を発見したのがこの大深沢川左俣左沢。不思議な事に何故かここだけ超顕著なゴルジュが発達しているようだった。小渓で、短時間でいつでも行けそうなので後回しにしていたが、純正沢ヤ交流会の解散後という、丁度良さそうな機会が巡ってきた。
いざ純正沢ヤ交流会に参加してみると、翌日は皆で長兵ヱ沢頭の日向沢へ行くという。こちらも誘ってはみたが、誰も乗る気はなさそうだ。だが、そんなのは関係ない。我々は、我々の行きたい沢へ行くのだ。

右俣上部の2段9m滝:右俣は概ね平凡



右俣の26m滝:巻き下るのも面倒そうだったので、懸垂下降2pで滝壺へ。この下はぼさぼさしたゴーロが二俣まで続く。

左俣に入ると、堰堤が2つある。沢名の記載はなし。

312m二俣を左沢に入ると、やばそうなゴルジュが迫ってくる


暗黒の歪な壁が激狭い空間を作り、見上げると一線天の青空。ちょっとボサいのも良い味出してる。なんじゃこりゃなんじゃこりゃ(歓喜)


行く手に、何だか厳しそうな滝が見えてきた

問題の7mCS滝に近づくと、何とか登れそうだったので、激シャワーで登攀。ばっちり防寒してきたので何とかなった。

登り切って、この激狭ゴルジュを振り返る。ここまで狭いゴルジュはなかなかない。

最狭部を過ぎてもゴルジュは続き、側壁からの脱出は困難そうだが…

極めて困難そうな11m滝が出てきた。エイドで登れる可能性もあるが、もう時間に余裕もないので、巻き始める場所を探しながら引き返す。

左岸に何とか弱点を見出し、トラバースして巻いていくが、かなり悪い草付きや泥壁だった。ここがこの沢の核心。 巻き終えると平穏な沢となり、尾根を越えて右沢の左へ。

右沢の左にもプチゴルジュがあった。

右沢の右を登って車道に出たいが、出合にある4m滝が直登不可。右岸から巻く。

その先の4m滝、3m滝も厳しそうなのでまとめて巻いて、あとは平穏な沢を登っていき、車道に出た。
・感想(たもしま)
こんなにも凄いゴルジュが、僅か標高500m未満の峠道の下に眠っていたとは。大層驚いた。まだまだ、未知の大ゴルジュはあるものだ。しかも、狭い集水域の割に、しっかり水も流れていた。こんな出会いがあるから、開拓は面白い。
それにしても、他の人を誘ってはいたものの、誰も乗ってこなくて良かった。こんなにも登り応えのある沢とは思っていなかったので、時間も足りなくなっただろうし、そもそも、実力の分からない人と来るには厳しすぎる沢だった。
左俣左沢は、ゴルジュ好きなら必見のスーパーゴルジュであり、かなりお薦めだが、奥の7m滝を登ると脱出の難しいゴルジュになるので、実力に不安があるなら、7m滝を見て引き返し、右沢を遡行する方が無難だろう。一方、我々が大高巻きした11m滝から始まる連瀑は、フルエイドすれば登れるかもしれないので、どなたか挑戦してみては。実力と持ち時間に応じて、いろいろな楽しみ方ができそうな沢である。
・感想(たな)
寒すぎる7m滝を越えた先は、台湾の魔窟・海岸山脈を彷彿させる巻きだった。
余談だが、海岸山脈の核心部は海底火山由来の火山角礫岩だ。日本だと頸城海谷もほぼ同じ構成をしている。今回も似たような地質の組み合わせなので、これ系のゴルジュの成因に一役買ってるのかもしれない。
なんとか日暮れ前に林道へ到着。魚沼の里山恐るべし。
下山後に中澤牧場へお邪魔したら、ご令嬢は齢9ヵ月にしてこのスーパーゴルジュの写真に大熱狂。将来有望すぎる!
装備・コースタイム
11:17 出発 – 12:48 右俣・左俣出合 – 16:51 帰着
(合計5:34/距離4.6km、登り421m、下り418m)
・ラバーソール適
・ロープは、今回は25m1本を使用。高巻きでロープを出すなら、長めのロープがある方が良いかもしれない。
遡行図

地名
・大深沢川ではなく大深沢とする資料もある。
・大深沢川の枝沢それぞれにも名称はありそうだが、文献調査しても分からないため、269mの右を右俣、左を左俣、左俣の312m左を左沢、右を右沢としておく。
他の記録
記録未見
〇本件ヤマレコはこちら
1994年生。ぶなの会所属。大学に入ったタイミングで沢登りを始め、沢登り歴13年、訪れた沢は約1000本。沢を登るだけでなく下りも交え、一層その流域への理解を深めたいと考えている。最近は、情報の乏しい隠れた秀渓を探すのにハマっている。


















