下田|駒出川 祓川サワラ沢遡行・三ツ鼻沢下降・岩滝沢遡行

今年は9月になっても雪渓が多いので、雪渓が残ってそうな沢を避けることにしていると、なかなか魚沼三山や飯豊の沢には行けない。とはいえ越後の沢には行きたいが、川内まで行くのは遠い。下田であれば雪渓も確実にないし、川内ほど遠くもない。中でも駒出川はアクセスが良く、下田の主峰の粟ヶ岳に突き上げる割には記録が少なくて気になっている、祓川サワラ沢と岩滝沢を繋げれば、1泊2日でちょうど良さそうだ。
記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 祓川サワラ沢:3級上
滝は多いが、登れない滝が多い。見ごたえのある滝も結構あるが、巻くのはそれなりに悪く、ぬめりも多めで、快適な沢ではない。アプローチしやすく日帰りできる沢なので、巻きの練習用としては適していると思う。 - 三ツ鼻沢 [三鼻沢]:3級下
湧水豊富で集水域の割に水量が多く、意外とスケールの大きい景観が楽しめる。花崗岩で綺麗な渓相が続くのもよい。アプローチしやすく日帰り可能。上部はゴーロが長く続くのが欠点で、下降ルートとして利用するのもよい。 - 岩滝沢:3級上
花崗岩主体の綺麗な渓相で、登れる滝も多く、突破しがいのあるゴルジュもあって、結構楽しめる。アプローチしやすく日帰りできる沢なので、もっと登られてもよいと思う。終盤でゴーロが続くのが残念。詰めは藪が濃く、そこそこ大変。

祓川に入渓してすぐ、左の新田沢からは猿飛滝が落ちる。


13m滝:長いゴーロを経てやっと滝らしい滝が出てきたが、巻くしかない。しかも巻こうとすると棘が多くて厄介だった。


10mCS滝は、巻くと大変そうなのに直登も絶望的に見えたが、

左の狭いチムニー状を登れてラッキーだった。



上段は登れそうにないので左から巻く。

10m滝は直登できそうに見えたが、取り付いてみるとつるつるで、左から巻く。

またしても登れない30m滝。右から大高巻き。

2段25m滝は、巻き気味にだが登れたので良かった。ぼろぼろの残置ハーケン確認。

またまた登れない25m滝。綺麗な直瀑だ。右から巻く。

764mと795mの二俣を経て水量がだいぶ減ったところで、庇のような岩が特徴的な4m樋状滝。

そのすぐ上の18m滝はまた登れず、左から巻く。

まだまだ登れない11m滝。左巻き。

本当にこれでもかと滝が出てくる沢だった。写真を載せてない滝も大量にある。滝がなくなったところで、藪漕ぎゼロですぐ横の登山道へ。

登山道を少し登り、これから下る三ツ鼻沢を俯瞰。

上部は開けたゴーロが続き、はかどる。

途中それなりに滝が出てきたが、どれもクライムダウンか小さく巻き下れるものだった。


滝場が終わるとゴーロが続くが、良い幕営適地はなく、妥協して幕営。

幕営地の下流側は、花崗岩で水量も多く、なかなか綺麗な沢だった。思ったより滝が多く、想定より進まない。

クライムダウンで処理。

下田の沢らしい景色


結構なゴルジュだが、普通に巻き下れる地形が続く。


時間に余裕があるので岩滝沢出合を過ぎ、山ノ神滝を探しに行ってみると、それらしきものはあった。

山ノ神滝は単一の滝ではなく、複数の滝をもつゴルジュのことではないかと思う。

「山ノ神」を探す試みは失敗し、岩滝沢出合に戻って遡行開始。滝は最初から結構出てくる。





5mスラブ斜瀑:なかなか面白い景観








左岸支流に大スラブ滝を確認。残念ながら、この辺からゴーロが続く沢になる。


詰めはそれなりの薮だったが、もっと酷かったのは稜線上。結局稜線上を進むのはやめ、サワラ沢源頭に下り、初日と同じ地点から登山道に出た。
サワラ沢はとにかく巻く滝が多く、快適な沢ではなかったが、その分登り応えはあって、登り終えた時の充実感はあった。三ツ鼻は下部で意外に立派なゴルジュが出てきて楽しめ、岩滝沢は評判通りに面白い沢だった。
どれか1本のために関東から出向くのは割に合わないと思うが、この3本をまとめて楽しめたので、かなり充実した山行になった。雪の少ない年なら6月から行けるだろうし、本番前の練習用としても、なかなか利用価値の高い沢たちだろう。
装備・コースタイム
1日目:8:09 粟ヶ岳登山口 – 8:23 猿飛滝 – 15:03 登山道 15:15 – 17:34 宿泊地
(合計9:25/距離6.9km、登り1,280m、下り798m)
2日目:7:52 宿泊地 – 9:53 二口 9:57 – 10:32 山の神滝 11:04 – 15:27 午の背 15:29 – 15:57 天狗の水場 – 16:11 粟薬師奥の院 16:16 – 16:49 猿飛滝 – 17:04 粟ヶ岳登山口
(合計9:12/距離9.6km、登り1,003m、下り1,476m)
・ラバーソール適
・ロープは使用せず
遡行図

地名
下田山塊山岳地図(蒲澤新治,2009)に詳しい。遡行図に記載した祓川、下ヨシ沢、上ヨシ沢、アントナイ沢、黒岩沢、フタタビシ沢、山ノ神滝、岩滝沢、薬研沢、三ツ鼻沢、二口の地名は、この地図に拠る。
祓川について、日本の渓谷’97における浦和浪漫の記録では「サワラ沢」としている。今回は、祓川の本流上部がサワラ沢であると解釈した。
下山メシ&周辺施設
○割烹東雲
ランチメニューの価格をうっかりグランドメニューの価格と間違えて少し高級寄りのお店に入ってしまったが、この味とボリュームならむしろコスパ良いと思う。美味しい定食と栃尾の油揚げを堪能。


他の記録
駒出川流域は、下田の中ではアクセスが良い割に、記録が非常に少ない。確認できたのは下記。
○祓川サワラ沢
・日本の溪谷’97 浦和浪漫山岳会 1996年9月
・2009年4月 中退 三井明高
https://www.ne.jp/asahi/mori/mizu/data/requestedwork/090414haraikawa/haraikawa.htm
○三ツ鼻沢 [三鼻沢]
・日本の溪谷’97 浦和浪漫山岳会 1996年9月
・わらじ年報17 1993年8月 わらじの仲間
三ツ鼻沢と明記されていないが、駒出川本流を詰めているようなので、三ツ鼻沢と思われる。この記録は遡行図も写真もなく殆ど状況が伝わらない。1泊2日。
○岩滝沢
・日本の溪谷’97 浦和浪漫山岳会 1996年9月
・2016年6月 と○(流れに逆らう)
https://waterclimb.jugem.jp/?eid=249
〇本件ヤマレコはこちら
1994年生。ぶなの会所属。大学に入ったタイミングで沢登りを始め、沢登り歴13年、訪れた沢は約1000本。沢を登るだけでなく下りも交え、一層その流域への理解を深めたいと考えている。最近は、情報の乏しい隠れた秀渓を探すのにハマっている。
















































