ログインお気に入り

越後駒|水無川ブナヒラ沢遡行・大雪橋沢(仮称)右俣下降

2025.11.08

ブナヒラ沢は、モチガハナ沢支流のひとつで鎌状に反り立つ右岸側壁が特徴の沢だ。その左右非対称過ぎる不思議な流域形状が気になっており、紅葉シーズンにぜひ行きたいと考えていた。
昨年、yamakurumiらが行こうとして中退した沢だが、水量が少なく、紅葉が綺麗そうで、さほど困難もなさそうなので、日も短くなった晩秋に丁度良さそうだと思っていた。

記録

日程
2025年11月8日
メンバー
たもしま、たな
天候
晴れ
体2攀2悪3藪2水1
たもしま★6、たな★8
×

独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。

・定義や意図は「源流徘徊」を参照。

・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。

×

★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。

  • ブナヒラ沢:3級
    モチガハナ沢の小支流で水量は少ないが、適度に突破しがいのあるゴルジュから始まり、左には大岩壁、右にはスラブが広がって、沢中には適度に小滝があり、最後は立派な奥壁を登って、大した藪漕ぎもなく終わる。紅葉の時期にもってこいの沢で、お勧めできる。
  • 大雪橋沢右俣:3級下
    水無川の大雪橋で右岸から入る枝沢で、水量は少ないがスラブが長く続く。登るには少々物足りない内容だが、増水時には良いかもしれない。ただし下山ルートの選択は悩ましい。ブナヒラ沢遡行時の下降ルートとしては適している。
林道から見える紅葉のカグラ滝

大雪橋:だいぶ減ったが、こりゃ越年するなぁ。ここでこれだと、来年が思いやられる

ブナヒラ沢に入るとすぐにゴルジュになり、10m滝。左凹角から登る。

すぐ先の10m滝は深い滝つぼをもつ。右からトラバースして取り付き、ぬめりを丁寧に取り除きつつ水線を登攀。

10m滝をフォローするたな

最初のゴルジュを過ぎれば、快適なナメ滝が連続する

ここも快適
美しい紅葉をバックに登る

ガレている区間もあるが、短いし、ここだって結構綺麗だ

4段20m斜瀑も快適に登れる

左側壁はずっと立派で、奥のCS滝は右から登る。

振り返ると

水はだいぶ減ってくるが、渓相は相変わらず良い

紅葉も美しい

990m二俣は、右の方が水量が多いが、そちらは詰めが面倒そうなので、左へ。

左俣も最後までは水流を追わず、右岸の岩壁を登ってマキグラノツルネに詰めていく

最後は鎌の刃こぼれを狙うように弱点突いて尾根に乗る。垂直に近い藪も出てくる。

詰め上げた所から少し登ると、群界尾根も良く見えた

大雪橋沢の下降を開始。藪を少し漕いだ後は、下りやすいスラブが続く。このスラブが大雪橋の原材料の出所になっているのだろう。

水が出てきたスラブを見下ろす
スラブを見上げる

少しぼさぼさしたところを過ぎると、さっきより幅の広いスラブになった。ここも快適に下降。

終盤に小滝が連続して、少し面倒だが、どれも容易にクライムダウンか巻き下れる。

大雪橋へ向かって下っていく

大雪橋沢の二俣:写真中央が水量の多い左俣、右が下ってきた右俣。

・感想(たもしま)
ある程度期待はしていたが、予想以上に良い沢だった。
 ブナヒラ沢は適度に突破しがいのあるゴルジュから始まり、左には大岩壁、右にはスラブが広がって、沢中には適度に小滝があり、最後は立派な奥壁を登って、大した藪漕ぎもなく終わる。紅葉も終始綺麗で、この時期の沢としては最高の一本だろう。
 大雪橋沢も概ね下りやすいスラブと小滝が続き、下降ルートとしては丁度良かった。
 週末のうち1日しか沢へ行けなかったが、それでも満足の開拓だった。開拓されつくしていそうな水無川流域にも、まだこんな沢が未開で残っていたとは。
 この時期、非常にお薦めできるルートである。

・感想(たな)
紅葉、小水量ゴルジュ、スラブ、沢パイン。
この時期にやるべき事すべてが詰まった最高の1本だった。右岸は鎌、左岸はスラブ、どこを見てもカラフルな紅葉、素晴らしい。

装備・コースタイム

7:45 出発 – 7:51 光岩砂防堰堤 – 7:58 見返りの滝 – 8:03 魚止滝 – 8:07 八海砂防堰堤 – 8:16 大雪橋 8:18 – 8:19 千畳岩 – 12:07 遡行終了 – 15:02 大雪橋 15:03 – 15:11 八海砂防堰堤 – 15:15 魚止滝 15:16 – 15:25 光岩砂防堰堤 – 15:32 帰着
(合計7:47/距離7.8km、登り1,059m、下り1,063m)

・ラバーソール適
・メインロープ不使用。ブナヒラ沢の最初の連瀑で使用する場合、30mあれば十分。

遡行図

地名

○ブナヒラ沢
 登山大系では「無名沢」だが、「越後三山・只見集成図」(藤島玄,1998)および「越後の山旅 下巻」(藤島玄,1979)に従い、ブナヒラ沢とした。

○大雪橋沢(仮称)
 この沢の名称を記した資料は見当たらないため、大雪橋で水無川に合流することから、大雪橋沢とした。最下流の滝の上に二俣があり、左を左俣、右を右俣とした。

○大雪橋
 例年遅くまでスノーブリッジが残る場所。そのスノーブリッジ本体。「大雪橋」という名称は「魚沼三山・奥只見・守門 (マウンテンガイドブックシリーズ 第24)」(独標登高会,1957)や日本 登山大系2(152ページ)に記載がある。
 上信越の谷105ルート(豊野,1999)では、モチガハナ沢の暗渠を大雪橋としているが、誤りと考えられる。

他の記録

○ブナヒラ沢
 登山大系に、Y字状ルンゼ遡行時の下降ルートとして使われた記録があるという記載があるが、該当の記録は未確認。また、2024年にyamakurumi・中澤慧が遡行を試みたが、怪我により中退している(記録不作成)。

○大雪橋沢(仮称)
 記録未見

〇本件ヤマレコはこちら

1996年生。就職後に沢を始め実践歴8年、訪れた沢は約600本。SAWA MAFIA所属、源流徘徊主宰。山・渓・里を繋ぐ沢旅が好き。オリジナルラインの遡下降と山の背景ネタを大切に、沢起点で流域の風土をまるごと読み解く探究を目指している。

関連記事