身延山地|内房境川右俣遡行・左俣下降

記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 内房境川右俣:3級
二俣までは、1箇所顕著なゴルジュがあり、その2つ目の滝は登り応えがある。右俣は快適に登れる小滝と容易に巻ける滝、ちょっとしたゴルジュ等があり、倒木以外は快適な沢だが、詰めがやや長い。右俣大滝は登れないため、左俣大滝を登ってから右へトラバースすると良い。 - 内房境川左俣:2級上
二俣までは、1箇所顕著なゴルジュがあり、その2つ目の滝は登り応えがある。左俣大滝は登れる(RS50m/IV)が、その先は全体的に水量が少なく伏流したゴーロ区間も多いし、ゴルジュも殆ど無いため、沢登りとしての面白さは右俣に劣る。
貫ヶ岳の西面の沢はこれまで何本も歩いてきたが、東面の沢は行ったことがない。新清水インターから近く日帰りしやすいので、日曜が雨予報で土曜のみの山行にしたこの週末に丁度いいと思い、行ってみることにした。

地図にない林道の路肩に駐車し、荒れた林道から適当に斜面を下って砂防ダムへ。銘板に「内房境川通常砂防ダム」とあり、沢名を確認できた。南隣の矢口川の方が集水域は広いが、こちらが境川の本流扱いらしい。

ダム上の堆砂域が終わると、まずまずの渓相になる。

沢沿いの植林地にはミツマタが咲いていた。

岩の割れ目の奥にはタゴガエル(?)の卵が産まれていて、タゴガエルの大合唱を聞きながらの遡行になる。

沢全体を通して、左右の植林地から倒れ込んだ杉の倒木が多い。歩きにくく、景観も損ねている箇所が散見される。
適当に進むとゴルジュが出てきて、1つ目の4m滝を登る。その先の2つ目の5m滝が厄介そうだ。


5m滝はたなが先陣を切り、落ち口の下のバンドをハイハイでトラバースする。バンドは狭く、立ち上がるのが大変だった。最後は落ち口を登って抜ける。なかなか癖のある滝で、二俣までで一番の登り応えがあった。

二俣は、両側に30mの大滝が懸かる。写真は右俣の大滝。遡行して面白そうなのは右俣だが、この滝は登れそうにない。そこで左俣の大滝を登ってから右へトラバースし、右俣を遡行することにした。

左俣大滝30m。たなのリードで取りつく。40mロープでは1ピッチでぎりぎり足りないため、途中でピッチを切ってたもしまにリードを交代し、2ピッチで登った。水流を計3回跨ぎながら水線を直登できる。多少の脆さはあるが、快適に登れる良い滝だ。

2ピッチ目の終了点から見下ろす。大滝の上からは、右へトラバースして右俣に入る。

右俣は特筆するような所はないが、快適に登れる小滝が多く、なかなか良い沢だ。これも丹沢にあれば流行るだろうに。

この滝は登攀困難そうだが、簡単に巻ける。

結構立派なゴルジュもあるが、快適に突破できる。

登れない滝も、小さく巻ける。

最後はこの涸棚に突き当たり、右岸を登って詰めた。水が涸れた地点で標高を確認すると、登山道まではまだ150mほどもある。

水の涸れた落ち葉の溝を登り続ける。特に難所はなかったが、それなりに疲れる詰めだった。

左俣の下降に入ると、すぐに水が出てくる。右俣と違って稜線直下から水量のある沢かと思ったが、そんなことはなく、いつしか伏流していた。

左俣の下降はあまり快適ではない。伏流気味のゴーロが長く続き、ゴルジュもほとんどない。滝があっても水量は少なく、しかも登れなそうな滝が多いため、遡行しても右俣よりつまらなそうだ。

降りられない滝は、何度か懸垂下降でこなした。もうすぐ二俣という所で右岸から水量の多い枝沢が入り、ここでやっと右俣と同等の水量になった。

途中でシイタケを発見したので、たもしまが収穫した。

左俣大滝の上からは、行きと同じトラバースで右俣を横断する。杉の倒木が折り重なった所をくぐり、崩壊した径路跡を辿る。

径路跡には怪しげな一本橋が架かっている。たもしまが渡ろうとしたが、腐っているのでやめ、手摺として使うだけにした

一本橋を振り返ったところ。径路跡を抜けると、林道終点に出た。
・感想(たもしま)
内房境川(左俣大滝登攀→右俣遡行)は、新清水インターから近く、内容もまとまっており、登山道下山も可能なことから、初級者向けの優れた沢だと思う。今日も良い沢を開拓でき、充実の1日だった。
・感想(たな)
ミツマタが咲く植林地を流れる里川に、そこそこ登り応えのある滝が続く。タゴガエルの大合唱も相まって「春来たな」感を味わいながらの遡行が楽しい。大滝は水流を計3回跨いで登れるため、沢登り的にもおすすめできる。貫ヶ岳周辺の沢は初めてだったが、粒の大きな礫岩が印象的だった。
装備・コースタイム
9:19 出発 – 9:29 内房境川通常砂防ダム – 15:50 帰着
(合計6:31/距離4.5km、登り770m、下り773m)
・ラバーで行ったがフェルトでも良さそう
・ロープ40m(左俣大滝は1ピッチではぎりぎり足りない)
遡行図

下山メシ&周辺施設
○浦田商店
おばあさんが一人で切り盛りする昔ながらのB級グルメ鉄板焼き店。富士宮焼きそばをいただく。

他の記録
〇本件ヤマレコはこちら
1994年生。ぶなの会所属。大学に入ったタイミングで沢登りを始め、沢登り歴13年、訪れた沢は約1000本。沢を登るだけでなく下りも交え、一層その流域への理解を深めたいと考えている。最近は、情報の乏しい隠れた秀渓を探すのにハマっている。
























