谷川岳|小出俣川 マチホド沢本谷遡行・大穴沢本谷下降

記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- マチホド沢本谷:3級
大ヒラナメのセンを始めとして立派なナメやナメ滝が多く、見応えがある。大滝は巻かれることが多いが、IV+程度で直登可能で、適度に登り応えがあって良い。あまり濡れないので紅葉の時期が最適。行ったタイミングではぬめりが強かったが、ラバーソールで何とかなった。 - 大穴沢本谷:2級上
行ったタイミングが悪かったのか、ぬめりが非常に強かった。フェルトソールを準備した方が良い。滝やナメもそれなりにあるが、これといった見所はなく、源頭部は水のない区間が長い。遡行対象としては渋いが、マチホド沢遡行後の下降ルートに取れば充実する。
※ヤマビル多数確認、要注意
この週末も天気予報がいまいちだったので、手ごろそうな日帰り沢へ。マチホド沢本谷は近年人気の沢だが、大穴沢は記録が少ない。遡下行するのにちょうど良い位置関係にあるので、この2本を組み合わせることに。
小出俣川沿いの林道に入り、千曲平の路側帯に駐車しスタート。

マチホド沢に入渓し、しばらく単調なゴーロを歩くと、魚止滝。左から容易に巻く。

早速第一の見所、大ヒラナメのセン。確かにきれいなナメなのだが、かなりぬめるので全然快適ではない。

少し傾斜が出てくる。相変わらずよくぬめる。どこまでが大ヒラナメのセンなのかはよく分からないが、想像以上に続いた。

9mの滝は、右から直登。

程なくして大滝。左はセンノ沢。

ここで追いついた3人を抜き、一段目をフリーソロで登攀。ドローンを飛ばして大滝の全景を撮ろうと思ったが、最上段までは写らなかった。

2段目は右から巻かれることが多いが、せっかくなので直登。それなりに登り応えがあった(IV+)。(別の遡行者から頂いた写真)

2段目をフォローで登るたな。

大滝の最上部は水線をフリーソロで登り、大滝は終了。しかし巻いた方が早いので、1段目で抜いた3人に抜き返された。

8m2条樋状滝は、直登している記録もあり、試したものの、激しいぬめりで敗退。右から巻く。

80mスラブ状滝。これは見事。

折角なのでドローンを飛ばして撮影。その後左から巻き気味に登ったが、結構薮が面倒だった。

オゼノ沢から藪を越えて本谷に戻り、すぐの8m滝。左の草付きから登ったが、結構悪い。たなは右から容易に巻いた。

15mのナメ斜瀑。

20mのスラブ状滝は右から登ってみたが、左の方が良かったと思う。この辺りが小ヒラナメのセンか?

Co.1420mの美しいナメ二俣。

かなり上の方まで快適なナメが続き、良い沢だ。(頂いた写真)

殆ど薮もなく山頂に着いた。確かに人気なのも頷ける良い沢だ。ぬめりがない時ならもっと良いだろうに。

時間に余裕があるので大穴沢下降に入ったが、しばらく薮っぽい渓相が続いた後、やっと3段17m滝が出てきた。これは懸垂下降。

それなりに滝はあるが、マチホド沢のような開放感はないし、かなりぬめる。

この2段5m滝はえぐれた側壁を持ち、なかなか面白い地形。

この15m滝は左岸から懸垂下降で下る。ここから、大穴沢でも一番まとまった滝場となる。

15mの下には20m斜瀑、12m滝が続き、右岸からまとめて巻き下る。遡行の場合は登れたらしいが(その空の下で)、今日のようにぬめっている日は駄目だろう。以降は大した見所はなく、林道に出て終了とした。なお、ヤマビルが多数いたので要注意。
・感想(たもしま)
マチホド沢本谷は、ぬめりが強いのだけが厄介だったものの、ナメとスラブの景観が素晴らしく、確かに人気なのも頷ける秀渓だった。天気も紅葉も良かったし、大滝も問題なく登れて満足。
それに比べて大穴沢は、ぬめりが激しくて大して綺麗な所も少なく、隣の沢なのに雲泥の差だった。それが確かめられたので良かったが、早く下山したいなら尾根を下った方が良いであろう。
並行して登っていた単独行の方が、まさか、横浜市の同じ区に在住の方だった。そんな偶然もあるのだなぁと思い、連絡先を交換して、写真を提供して頂いた。感謝。
・感想(たな)
帰り道、寄居SAで仮眠してたら車の中がヒルパンデミック。手についてた丸々太ったヒルを2匹窓から捨てた。SA内で見つけた人いたらごめん。
運転再開、助手席で寝てたタモが変な悲鳴を上げて、何かと思ったら、吸血済みのヒルをひっぺがして関越道へ窓から捨ててた。走りながら捨てたし多分大丈夫だろう。
帰宅後、たもしまは布団の中でも「ヒルに襲われる…」とか魘されてて超面白かった。
谷川の山々は紅葉真っ盛り。
こんなモチベの時にちょうど良いような沢だった。
装備・コースタイム
6:19 出発 – 6:22 千曲平橋 6:23 – 6:45 魚止滝 – 7:06 大ヒラナメのセン – 7:40 マチホド沢大滝 8:50 – 11:55 小出俣山 12:27 – 16:51 大穴沢 魚止滝 – 16:58 帰着
(合計10:39/距離7.7km、登り1,104m、下り1,104m)
マチホド沢は部分的にぬめりが強かったが、ぬめらない箇所もあり、大滝を登るならラバーソールがベター。大穴沢はフェルトソールの方がよい状態だった。
遡行図

地名
本記録では登山大系に従ったが、以下のように異論もある。現状では元来どれが妥当なのか検証不能である。
○小出俣川(おいづまたがわ)/小出俣沢
国土交通省では大出又沢川(おいでまたさわがわ)。かつては「生津俣沢/生津俣川」という表記が一般的だった。1974年に二万五千分一地形図が刊行された際に「小出俣沢」と記載され、これが一般化したのではないかと思われる。
○マチホド沢と松ホド沢
登山大系のマチホド沢は、渓流釣場事典では「松程沢」。登山大系の松ホド沢は、渓流釣場事典では「日蔭松程沢」。マチホド沢と松ホド沢は、発音が似すぎていて本流-支流の関係としては疑問があり、渓流釣場事典の方が正しいのではないかとも思う。
苗場・谷川・岩菅集成図等では「マナホド沢」としているが、チの上の点を見逃したものではないか。他にも「テホド沢」「チホド沢」としている文献もある。
○千曲平
現地の橋および登山大系では「ちくま」。地理院地図や渓流釣場事典では「せんげん」と読ませる。どちらが正しいのか不明だが、現地の橋を優先したい。
○大ビノ尾根/オゼノ尾根
マチホド沢と大穴沢の中間尾根は、登山大系等では「大ビノ尾根」、苗場・谷川・岩菅集成図等では「オゼノ尾根」。ヒとセは読み誤りやすい字であり、どちらかが誤りと思われるが、検証不能。「大ビノ沢」は1968年に付された枝沢名であり(岳人253号)、この尾根に突き上げていることに由来していると思われる。
○オゼノ沢とオゼ田
マチホド沢左俣は登山大系では「オゼノ沢」であり、これは稜線上にある「オゼ田」に関係する地名と思われるが、このオゼ田の位置は資料により異なり、山頂の東側だったり西側だったりする。前述の「オゼノ尾根」とも関係があると思われるが、何が正しいのかはよく分からない。
他の記録
○マチホド沢本谷
記録多し。書籍では「奥利根・谷川連峰の沢」(岸,2003)に掲載。近年、大滝を直登した記録は少ないが、静岡労山の小林敏之氏によるものがある(下記)。
・2018年11月 小林敏之&妻 遡行図無
http://blog.livedoor.jp/toshizo1211/archives/52562922.html
○大穴沢
登山大系に掲載されているが、記録は非常に少ない。本谷の確認できた記録は「その空の下で。。。」のみ。支流の記録としては、小涸沢と三岩沢の記録があるのを見つけた程度。
・2013年7月 本谷遡行 弘田猛ほか1名 遡行図有
http://sonosoranoshitade.web.fc2.com/sonosoranoshitade4/page037.htm
・1989年7月 三岩沢遡行 わらじ年報13 加藤正彦ほか3名 遡行図無
・2010年11月 小涸沢遡行 moto.p 遡行図無
http://kemotop.web.fc2.com/Report/2010/20101107/20101107.htm
〇本件ヤマレコはこちら
1994年生。ぶなの会所属。大学に入ったタイミングで沢登りを始め、沢登り歴13年、訪れた沢は約1000本。沢を登るだけでなく下りも交え、一層その流域への理解を深めたいと考えている。最近は、情報の乏しい隠れた秀渓を探すのにハマっている。























