西伊豆|宇久須川 川作川右俣遡行・左俣下降

伊豆半島の沢で有名なのは三階滝沢と中ノ沢くらいだが、他にも興味を惹く地形のところがいくつかある。12月なのに暖かい予報だったので、その中でも気になっていた川金沢へ行くことに。川金沢だけだと半日だろうと想定し、もう1箇所を考えた結果、たなの提案した川作川に決定。
記録
独自の5大要素(体力・登攀・悪さ・藪漕ぎ・水量)を1〜6段階で数値化した沢の個性化パラメータです。従来のグレード(難易度)とは異なります。
・定義や意図は「源流徘徊」を参照。
・従来の一般的なグレードについては、たもしまが付けているものを採用しています。
★10段階で評価。個人の好みや思い出要素も含みます。
- 川作川右俣:1級上
鉱泉が湧いており、鉄分により赤い沢床や硫化水素集のする場所もあるのが特徴的。23m程度と思われる大滝の登攀は絶望的だが、登れる小滝はそれなりにある。温暖な伊豆半島にあることから、初春や晩秋に訪れてみても悪くはない。ラバー適。 - 川作川左俣:1級下
伏流したゴーロの区間が長く、滝も少ないため、遡行価値は殆どない。沢沿いは歩きやすいため登下降路としては使いやすい。

(写真の選定とコメントは byたな) 入渓点付近の看板で沢名チェック。

沢床はサビの色。「赤川」の名の通りだった。


これは激シャワーになるので今回は巻きで。

岩質は総じて泥っぽい感じ。小滝を越える。

随所に炭焼き釜の跡や仕事道の跡がある。

遡行図の23m滝は登れないので左岸巻き。

根っ子のカーテン。土壁が削れて剥き出しになってしまったのだろう。

鉄だか泥だかが混ざった激マズい湧水。 (tamoshima:まずそうだと分かっているのにちゃんと味見してた)

Co.390付近の二俣。水量の多い右へ進む。ここから先は小滝が続く。


謎の岩オブジェ。粘土のように粒子が細かくて柔らかい岩?が、固い小石が乗った箇所だけ侵食から残って針山のようになっていた。

伊豆珪石鉱山跡 露天掘りの荒涼とした開けた景色と、眼下に海を望む、なんともノスタルジーな光景。

左俣は平凡な地形が続き、サクサク降りられる。途中、どんな奇跡で出来上がったんだって感じのCSがあった。
・感想(たもしま)
さほど高い遡行価値を期待していたわけではなかったが、実際、期待を超えない程度の沢だった。しかしながら、特異な沢床の色、何やら感じる硫化水素の臭い、まずい湧水等、地質の特殊性を感じることができ、鉱山で栄えた過去に想いを馳せるという面白さがあった。半日ルートとしては十分満足。
滝登りやゴルジュといった一般的な沢登りの面白さには欠けるが、地質の特殊性を感じられる沢であり、そういうのが好きな方は一度訪れてもみても良いと思う。伊豆半島は冬でも比較的暖かいので、冬に良い。
・感想(たな)
12月なのに20℃近い天気予報だったので、伊豆の沢へ行く計画が浮上した。あまり参考になる記録も無いので、地形図を見て何となく面白そうな沢筋を探す所からスタート。tamoshimaさんがいくつか候補を出してくれて、合わせて個人的に気になったデカめの鉱山跡を絡めた周回コースも混ぜてもらった。
地形図にある「赤川」という沢名からなんとなく現地の様子は察しが付く。さらに「金山」「天金」などメタリックな地名が目立ち、なるほど伊豆は地下資源が豊富なんだなと考えながら出発。まずは午前中1本目、狙うは赤川の支流だが、tamoshimaさんの事前リサーチによると「川作川」と言うらしい。現地の看板もチェック。
川床は赤茶けたサビ色で、意外にも立派な滝が現れる。凡流の区間を挟み、赤い水の出所を探す。露骨にサビ感が強い湧水を味見したら絶望的に不味かった。途中、白い堆積物が付着した怪しい湧水もあった(これは飲まず)。上部の二俣は水量が多い右へ進み、少し連瀑帯になる。粘土のオブジェなどを見ながら適当に詰め上がり、伊豆珪石鉱山跡へ侵入。眼下に海を望む荒涼とした景色と、妙に手入れが行き届いた庭園のような景色のミックス。なんとも不思議で印象に残る空間だった。
装備・コースタイム
7:26 出発 – 10:46 帰着
(合計3:21/距離6.0km、登り551m、下り552m)
ロープ不使用
遡行図

地名
・川作川の地名は、現地の堰堤の銘板に拠るが、川作沢とする看板もあった。
・読みは「かわつくりがわ」。
下山メシ&周辺施設
○伊豆珪石鉱山
日本最大規模の珪石・明礬石(ミョウバン石)の鉱山。安山岩等の火山砕屑物が熱水変質作用を受けて、高純度の珪石になった。最盛期には国内の板ガラス原料の大部分を供給していた。現在は採掘を終了し出荷のみが行われている。
伊豆珪石鉱山については、wikipediaに非常に詳しい(wikipediaらしからぬ程良質な記事)。
(たな記)
他の記録
〇本件ヤマレコはこちら












